★ Reports From Beijing... ★
北京発
慶応大学研究プロジェクトVCOM
WOM(Women's Online Madia) 吉村順子
第4回世界女性会議NGOフォーラム ワークショップ
Gender and Media in Japan / Sep.6 '95 / 11:00-14:30 / location 10-M29
商業化するフェミニズム
-日本のメディアの中のジェンダーとセクシュアリティ-
<報告・ジェンダーとコミュニケーションネットワーク>
テレビCMのジェンダーとセクシュアリティ 村松泰子
商業的な視覚メディアであるテレビは、女性を二つの意味で利用している。第一
に、女性は商品の消費者として広告の重要なターゲットである。家事を簡便化する商
品、身体を飾り美しくする商品などの広告は女性向けに発信され、その中でステレオ
タイプ化した女性像が繰り返される。第二に「絵になる素材」としての女性のセクシ
ュアリティを消費する。画面の彩りとして女性の身体を利用し、画面で切り取り部分
かするなどモノ扱いする。
世界の、そして日本のフェミニズムの流れを受け、日本の女性も元気になり、また
広告の中の女性像・男性像の批判も行われてきた。しかし、商業化したメディアは、
これらの変化や動きも取り込み、それをも巧妙に商品化してしまっている。
本ワークショップでは、以上の具体的様相について、最近のテレビCMの実例をV
TRで見ながら検証する。素材は、主に1995年8月に東京地区の民放で放映されたC
Mである。まず、典型的なステレオタイプ化した性的役割の実例、次に典型的な女性
の性の商品化の実例、そして最後に新しい傾向のCMの実例を取り上げる。
1 ステレオタイプ化した性的役割
家事を便利にしたり、簡便化する商品のCMでは、典型的な性別役割分業が描かれ
やすい。そして「家事はどんどん簡単・便利になっている」、だから「女性は家事を
担当していれば楽」というメッセージを送っている。
2 性的対象としての女性
女性の裸身や水着姿をアイキャッチャーとして使うCM[カップヌードル、カーナ
ビなど]、女性の身体を画面で切り取り部分的に使ったり、モノに見立てたりするC
Mがある[焼酎、ビール、缶コーヒー、マヨネーズ]。後者には、女性の身体と性的な
意味とを懸けたり、男性性器を連想させる映像を挿入するなどの例も見られる。さら
に、男らしさイメージを描くのに、女性への暴力をテーマにしたものもある[タバコ
]。とても洗練されたとはいえない露骨なものだけでなく、映像技術的に凝ったもの
で、女性から見ると非常に問題のある巧妙な作品が作られていることに注意しなけれ
ばならない。
3 新しい傾向の問題点
若い世代向けのCMには、男性が家事をするなど性役割の流動化したものがある
が、その場合、女性は性的な面を強調されている[野菜・果物缶詰]。働く女性を描く
のは、いずれも健康飲料のCMで、働く女性もまた男性と同様モウレツな働き蜂にな
ることが求められているようだ。また、この場合もCMの映像として女性の性的な面
が利用されやすい。
男性に見られる身体ではなく、女性自身のための美しい身体、自己表現としての身
体を強調するCMも登場しているが、中には、これまでのフェミニストの価値観への
意識的否定をこめたものがある[エステティックサロン]。
このように主流のマスメディアは、フェミニズムの応援を受けて元気になった女性
たちをも、商業的に利用し、新たな装いの男女差別を持続する可能性がある。私たち
は、そのことの危険を意識化し、それに立ち向かう必要がある。
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