★ Reports From Beijing... ★
北京発
慶応大学研究プロジェクトVCOM
WOM(Women's Online Madia) 吉村順子
第4回世界女性会議NGOフォーラム ワークショップ
Gender and Media in Japan / Sep.6 '95 / 11:00-14:30 / location 10-M29
商業化するフェミニズム
-日本のメディアの中のジェンダーとセクシュアリティ-
<報告・ジェンダーとコミュニケーションネットワーク>
「少女戦士現象」と日本社会 加藤春恵子
1 「少女戦士現象」とはなにか?
現在日本のテレビのアニメ番組のなかで、1992年以来続いている『セーラームー
ン』、1994年からの『魔法騎士レイアース』、1995年からの『スレイヤーズ』など、
少女戦士を主人公とするものがかなりの人気を集めている。この現象に着目し、「少
女戦士現象」と名付け、上記三番組の解読を通じてその背景と意味を考え、商業化さ
れたフェミニズムの子供たちへの影響をさぐる。
2 子供向けテレビ・アニメのなかの戦士たち
エコロジー問題の解決のための戦いを掲げて戦後日本社会のタブーを破り大掛かり
に戦士と戦争を描いた1970年代の『宇宙戦艦ヤマト』や、1980年代の『機動戦士ガン
ダム』は、タブーを破ることをとおして自己表現をしようとする男性の制作スタッフ
と戦争を楽しもうとする男の子の視聴者と次代の企業戦士を求める経済界の接点につ
くられてきた。この流れのなかに、1990年代に女の子中心の戦士ものテレビ・アニメ
が生み出されたのである。
3 90年代の少女戦士が意味するもの
男女雇用機会均等法制定以来、日本企業は、女性にも、一人前に扱われたいなら生
命を含めて自らの全てを捧げる戦士たれとのメッセージを送るようになった。『セー
ラームーン』や『レイアース』のなかで少女たちは突然使命を与えられ、正義のため
の戦いに仲間とともに喜んで参加せざるをえない状況に追い込まれる。これは日本社
会のなかでの視聴者の少女たちの未来と重なり合う。また、これらの作品にはセク
シーな女性像が盛り込まれており、小さいときから視聴者は性的対象物としてみられ
ることに慣らされ男性中心の社会に「慰安」を提供するための訓練を与えられる仕組
みになっている。
4 オカルト戦争と日本社会--熟慮なき意志としての「自我」--
現在日本の子供や若者の世界では、科学志向よりオカルト志向が優勢になってきて
いる。彼/彼女らが「自我」を模索できるだけの豊かさを社会が獲得したにもかかわ
らず、受験戦争による教育のひずみが思考力を奪った結果である。とくに女の子は男
の子より占いなどを信じる傾向が強い。このことを繁栄し、また強化するかたちで、
アニメの少女戦士たちは、オウムの戦士たち同様オカルト戦争を戦っている。番組の
中で伝えられる信じようとする意志あるいは精神力こそが勝利の源だとのメッセージ
は、かつての日本の軍国主義教育やオウムのマインドコントロールと共通するものを
もっている。
5 「少女戦士現象」を超えて
この現象を生み出しているスタッフには、女性が多く含まれている。能動的な女性
像の創造は評価すべきだが、日本社会の持っている「戦士/戦争文化」を見抜いてこ
れを乗りこえないかぎり日本の女性はさきの見えない不安を抱いて既存社会にまきこ
まれるしかない。日本のフェミニズムが取り組むべき課題は大きい。
ジェンダーとコミュニケーション・ネットワーク 連絡先:
〒181 東京都三鷹市深大寺3-19-12 TEL 0422-32-8974 代表 加藤春恵子
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