★ Reports From Beijing... ★
北京からの声=優生保護法って何?
1995年9月1日(金)13時からNGOフォーラムにおいて
DPI女性障害者ネットワーク、女のからだから82優生保護法改悪阻止連絡会、
フィンレージの会の共同でワークショップが開かれた。
8人の発言者によって、日本の”不良な子孫の出生を予防し、母性の健康を
保護する”ことを目的とする優生保護法のもと、女の性と生殖がいかに管理さ
れ、女のからだが子供を産むための器として扱われているかが明らかにされた。
特に”不良な子孫”とされている”障害者”の女たちからは優生保護法によっ
ていかに人間としての誇りが傷つけられているか、ということや、子供を産む
べきではないと考えられている女性障害者の子宮が摘出されているなどの具体
的な発言があった。
50人の会場に100人も集まった参加者はときには涙を流しながら共感し、女
性障害者を始め、すべての女の自己決定権を奪う優生保護法に対する怒りを共
有した。8人のスピーカーの発言は以下のとおりである。
*堤愛子(女性障害者ネットワーク)
以前私は障害があることは劣っていることだと考え、健常者に追い付こうと考
えていた。いろいろな人との出会いの中で、自分のからだとペースを大切にし
て動いてよいのだと思えるようになった。障害者は劣っているとする優生保護
法は障害者を自分は生まれるべきではなかったんだとあきらめ、無力感に陥れ
る。なんとか優生保護法をなくしたい。
*境屋うらら(女性障害者ネットワーク)
18年前、一人目の子供を妊娠したとき、誰も祝福してくれなかった。友人も病
院もみんな中絶するものと決めつけていたので、優生保護法指定医を避けて診
察を受けた。優生保護法では家族の承諾で中絶が可能なので、家族には妊娠7ヵ
月まで告げなかった。優生保護法は障害者が子供を産むことを脅かす法律だ。
*村山美和(女性障害者ネットワーク)
私は地域の小学校に入れてもらえず、施設に入った。そこはプライバシーの無
い生活で、人に見られずにトイレをしてよいとわかるまで、施設を出てからず
いぶん時間がかかった。人の命を分けることに怒りを感じる。優れているとか
劣っているという区別が早くなくなればもっとよい社会になると思う。
*安積遊歩(女性障害者ネットワーク)
障害者は自分で逃げられないし、治療という名目で密室におかれることが多い。
そのため性的虐待が起きやすい。つい最近もレントゲン室で性的虐待を受けた
障害者が裁判を起こし、勝訴した。私は障害がある自分のからだを憎み、傷つ
けてきたが、驚いたことに障害のない女たちも私と同じように自分のからだを
愛せないでいる。私のからだがどうありたいかを決めるのは自分だ。
*樋口恵子(女性障害者ネットワーク)
私は人間ではない。障害をもった物体なのだと施設の中で思わされてきた。生
き延びるために感じることをやめてしまっていた。そういう中で女性障害者の
子宮摘出は起きている。そして医師は”介助など社会が迷惑するなら子宮摘出
は必要な治療行為である”と言明し、罰せられていない。生きることを阻む優
生保護法をなくしていきたい。
*大橋由香子(阻止連)
堕胎罪、優生保護法、母子保健法の三法で日本の人口政策が行われている。母
子保健法は健康な子供を産むように、女に圧力をかけている。障害の無い女た
ちは、孤立した育児をしいられていて母性プレッシャーに苦しめられている。
*長沖暁子(阻止連)
優生保護法によって障害者と女の運動は分断されてきたが、今生殖技術の発達
がますます分断を広げようとしている。真の自己決定のためには、情報や選択
とともに多様性を認める社会が必要だ。そのためにも女たちが障害者、不妊、
南の女たちなど声を上げることが難しかった女たちの経験を共有することが必
要だ。
*赤城恵子(フィンレージの会)
今までの女の運動は産むか産まないかに焦点があり子供が産みたくても産めな
い不妊の女の声は取り上げられてこなかった。医療現場ではプライバシーやイ
ンフォームコンセントが守られず、社会的にも子供がいない女は一人前ではな
いと考えられ、不妊の女は追い詰められている。子供がいてもいなくても差別
されない多様性が認められる社会をめざしたい。
同ワークショップに参加した森田汐生さんがAPCコミュニケーションセンター
で入力したものを、吉村順子が代理投稿しました。
YOSHIMURA Junko 4th World Conference on Women in Beijing(NGO Forum in Huairou)
VCOM/Women's Online Media Project(WOM)
Association for Progressive Communications(APC)
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