★ Reports From Beijing... ★



今日は、島谷です。

世界女性会議関連レポート第16弾です。

今日は、北京で行われている政府間会議の話しを少々書きます。私は、今回の会議に
は、ある意味では一人のボランティアであり、また、同時にAPCのスタッフとして来
ているので、世界女性会議の政府間会議の本当のやり方とか、本質はあまり理解して
いないかもしれません。少なくとも国連の人間ではありません。でも、いろいろな人
と話したり、言葉が解らないながらも他のスタッフから聞いた話しなど総合すると、
以下のような進行しているようです。

まず、会議期間中で、たくさん分けられて項目が、分科会のような形式で、日にちや
、会議の場所をかえながら、国連のビルの多くの会議場で行われます。会議の中心は
、正式に招待されている(だろう)各国の代表の人達、つまりDELEGATEと呼ばれてい
る人達で、その人達が中心となって、各問題についてディスカッションし、各国の意
見や案を発表します。それらの多くは、今回の会議以前の会議などで決められた細目
の記載事項をおおむね継承していて、それらの内容で問題のある記述や、まだ、盛り
込まれていない内容をどうにかして盛り込めるように、会議の期間中に活発な意見交
換をします。その間は、DELEGATEでない人も、DELEGATEの人がロビーを歩き回ってい
る間や、非公式な場で、DELEGATEの人をつかまえられるチャンスがつかめれば、意見
の述べたり、ディスカッションしたり、陳情することが可能です。

ただ、それをどの程度DELEGATEの人達が受け止めてくれるのかは、難しい問題です。

また、ある項目について、議論が開始されると、それらに対する提案や意見が一段落
すると、それを公用語となっている6カ国語(英語、フランス語、スペイン語、ロシ
ア語、アラビア語、中国語)の文書に翻訳されて、それが机の上にのって、公開され
てから24時間以内に様々な議論やネゴシエーションがなされ、24時間後にはなん
らかの採択がなされなければなりません。
この翻訳では、特にスペイン語の翻訳がてこづっているようです。MicrosoftWordの
スペイン語の辞書が見つからないといって、ドキュメントを電子化するグループがか
けづりまわったりしています。

        これが、24時間ルールと言われている会議のルールです。
     ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

                24時間。。。。
                        それは、とても短い時間です。
                               未だに白黒できない問題を24時間以内に、解決
                                      できるでしょうか。

また、言葉の定義や意味の取り方なども、とてもクリティカルな問題を持っていて、
多くの文書や提案には、多くの括弧付きの文書が多くみられます。これらは、候補や
、まだ、ちゃんと定義されないものが多く、括弧の中に書かれている言葉は、まだ世
界中の国でcommitされていないということを意味しています。
そして、以上のような方策の後、最終的には、今会議における宣言案というものを作
成ところでゴールとなります。


私は、9月の12日の1:00 - 2:00に、Beijing Recreation Center(BRC)のROOM 10で
行われた、Japanese NGO Caucusというのに、初めて参加してきました。こういったC
uacusは日々刻々とかわる会議の状況の報告や、これからのロビー活動をどう行って
いくのかなどが議論されていて、毎日のように開かれているそうです。残念ながら、
私はAPCのスタッフの仕事などがあるので、ほとんどいけません。この日は、大きな
ネットワークトラブルもなかったので、足を延ばしていってみました。

BRCのROOM 10は、10帖弱位の部屋で、そこに50人ばかりの人が入っていたのです
から、とても込み合っていて、椅子にすわれる人は、とてもラッキーです。私は、話
しがどうしても聞きたかったので、入り口のところでふんばっていました。
きっと、何人かは、日本のDELEGATEの人だったのでしょう。きっと、正面にすわって
いる女性と、男性がそういう人だと思いました。(すみません。事前に、誰が日本の
代表として行くのかさえも知らないまま、ここに来てしまいました。)

そうですね、そこに来ていた人の多くは、40代後半から、50代、60代と見受け
られる女性が多く、中には、5人ほど男性がいるようです。また、6、7人はとても
若い人達で、外見からすると、大学生か大学院生風で、きっと、この会議の女性関連
テーマについて研究している人かもしれません。あとは、カメラなども入っていて、
きっと日本のマスコミ関係の人が何社か来ているようでした。

ここで聞いた内容をかいつまむと、、、(順不同。それと、英語の単語とか事前に調
べていなかったので、私の受け取り方が違っている内容もあると思います。そういっ
たところは、正確さを欠いているのであしからず。それから、話しが盛りだくさんで
、他の話しとごっちゃになっているかもしれません。そのあたりもご勘弁ください。
とにかく、必死にメモをとることで精一杯でした。タラー。)

・『環境』に関するところでは、放射線廃棄物の輸送の問題は決着した。
  つまり、どういうことになったかというと、国際法にのっとり、安全に移動する
というもので、
  G77は、もう少し強いと言っている。
  核兵器のところでは、昨日日本が活発にやった。が、これはおおむね核兵器廃絶
に関する決議案を
  元にしている。包括的核実験の問題では、中国が合意していない。

・地雷撤去については、日本の探査技術が使える。今、日本は、以下のような、2点
を提案している。
                ・「時雷撤去のための科学研究をしましょう」
                ・「核廃絶のための国際協力をしましょう」

・『先住民女性の、テクノロジーの保護や、知的所有権』については、うまくいって
いないようである。
  なにが、うまくいっていないかというと、先進国などから、『先住民女性の、テ
クノロジーの保護
  や、知的所有権』とは、何のことなんかがわかりにくいと横槍が入っているよう
である。

・『少女・子供』の所はおおむね決着した。

・『女性の相続の権利』については、かなりきびしい状況になっている。
         日本としては、女性に相続する権利があると言いたいのだが、他に問題を
抱える国からは、
  日本がそういう発言を支持する動機がないと言われている。
         また、これはイスラム諸国や、アラブ諸国から、合意できないと反対があ
がっている。
         というのは、こういった国々では、少女は男性の半分しか相続できない法
律や慣習になっているか
  らである。

・『unpaid work』のところでは、G77の提案を支持。農業労働や、女性の家庭内労働
のように、国際的
         な統計データに正確に反映されていないので、別の統計方法を考えていき
ましょうという方向になっ
         ている。しかし、一方で見えない女性のこういった労働を統計で見えるよ
うになった場合には、
         GNPを決める際に考慮しなければならないことがある。もし、きちんと考
慮されないと、地域援助
         が減ってしまうからである。だから、unpaid workの統計をとるときには
、女性の地域性が見えるよ
         うにしていき、統計結果は各国の援助には関係ない(unpaid workをGNPに
反映されてしまうと、発
         展途上国への資金援助が減らされてしまう原因にもなるからである。)と
いうことを、日本は盛り
         込んでもいいのではないだろうか。

・『売春』については、とても悪い、後退した内容が通ってしまっている。
         (希望的観測かもしれないが)但し、それは、まだ巻き返せるかもしれない。

・『人権の保護』については、国際社会というのは、人権のユニバーサリティーや、
オーソリティー、
         など3つの要件があって、これを受け入れる条件として、()に入ってい
る、ユニバーサルという
         言葉を消しましょうという代替案が出されている。

・『親の責任』については決着がついていて、『健康と少女』の項に案文を入れる。
         これは、妥協の産物で、既に合意した案の理解が難しいとのことでカナダ
案が支持された。
         カナダ案では、方向とガイダンスを与えるもので、親の権利・責任の他に
も、子供にも相続の権利
         を与えるというものである。

・『セクシャル・ライツ』については、EU側が蒸し返しを図って、宣言が一番進むの
が遅くなってい
         る。『セクシャル・オリエンテーション』は、openか、closeか。イコー
ルか、イクエイタルか。
         カイロ宣言の文をそのまま参照している。カイロ宣言の趣旨を確認すると
、各国は国内の法律手続
         きにそって、決定しますというものである。
         EUや、ノルウエーは、セクシャル・オリエンテーションを認めると言って
いる。
         だが、『セクシャル・オリエンテーション』という言葉がよくわからない
ので、慎重に審議しろ!
         ということになった。この言葉は、人権文書の行動案の4箇所くらいに出
てくる。
         しかし、本来ならば、行動案のエッセンスが、宣言案に盛り込まれるべき
で、ここで議論してもしょ
         うがない。

                        (そこで、Japanese NGO Caucusに参加している一人が、
「みんなが、レズビアンになったら、
                  男性は困るでしょう。」と発言。)

         また、バチカンなどは、『セクシャル・オリエンテーション』には、大反対。
         これについては、他にも、NGOが反対している。
         日本では、ホモでも公共のセンターに泊まることができる、、、というこ
とは、日本はオープン
         なんでしょうか、、、、と発言する参加者もいる。

・『堕胎罪』については、堕胎するのは母親である女性の権利として尊重すべきこと
なのか、それとも
         母親の体内にいる胎児の生命を守ることを尊重すべきか、、、ということ
が議論されているが、
         この問題が今回の会議で結論を出すというよりも、これから論議していか
なければならない問題で
         ある。

                  (これに対して、ROOM 10に来ていたNGOの女性から、「日本の
法務省の人は、もっと女性
                    の声を聞いてほしい」という意見が出された。)

・『セクシャル&リプロダクティブ』については、今、協議中。
         日本の外務省などに対しても、これははっきりした女性差別であるし、堕
胎罪はなんとかしてほし
         いとの声がNGOの女性から出された。

・『売買身』の問題では、国連の世界女性会議の前に、オランダが手を回して、オラ
ンダ政府のODA
         を使ってたくさんのお金をばらまいて、アメリカから50人もの売春を職
業とする女性を今回の会
         議に連れてきて、職業として選択する権利を認めてほしいと、ものすごい
キャンペーンをしている。
         オランダの言い分としては、「人身売買と、売買春は違うである。オラン
ダは、人身売買には当然
         反対するが、売買春には賛成する。」というものである。
          その結果、いくら今回の会議中に、沢山の人や国がロビー活動をしても
、多くのDELEGATE達
         には既にオランダとのコンタクトがあるので、とてもロビー活動がしにくい。
          一方、日本には、反対活動を強力に推進するためのお金がない。また、
戦略もなかった。
         、、、というのは、ノルウェーのような国がオランダの意見を肯定するよ
うな変な提案をしてこな
         いとたかをくくっていたところもあった。とにかく、売買春に関しては、
オランダの根回しが行き
         届いている。

          日本から代表としてきているDELEGATEの一人は、ここに来るまでは、『
売買春の権利』とい
         うものがあることさえ知りませんでした、、、と言っています。
         政府間会議でもこういう話しが出てこないようである。

          また、日本から来ている、売買春に関して反対するNGOの一人は、こう
述べている。
                   「売買春は、チャイルドはいけないとどこの国も言っている
が、アダルトになったらいいと
                    も言われている。でも、18才になったら、突然売春はよ
くなる、、、なんていうのはお
                    かしいのではないだろうか。」

         売春の権利に関して問題を難しくているのは、売春を職業としている人が、
                  ・貧乏だから、しかたなくやっているのか、
                  ・それとも、簡単に職業としてできるからやっているのかが
         わかりにくいからである。

         また、ファーストでないプロスチティチューションはないというが、ユネ
スコはそうだといい、
         ユニフェムはそうではない、、、と言っているように、とても不透明な所
がある。

         また、『ウィーメンズ・ライツ』には、ヒラリーの言葉は入らなかった。

・『女性に対する暴力廃絶』の問題では、国際的にロビー活動をしているが、ここで
もはっきりとお金
         の力が出ている。というのは、実際には、既にこの会議の始まる前からオ
ランダは、強力なキャン
         ペーンをしているのだ。

売買春をどう、扱うのか。こういう場合、どうしても、仕事とする人が勝利する。
タイの人もオランダの人も、どんどんエイズで人が死んでいても、売買春、そのもの
は問わないという姿勢なのである。

一方、ユネスコなどでは、この問題は人権侵害として扱っている。

この問題では、本質的に何が問題なのかというフレームワークがはっきりしていない。
法的な扱いや言葉だけ扱うのは良くないことである。日本は、この問題に対しては、
女性の尊厳を害するので売春は違法だと宣言しようとしている。しかし、他の国からは
日本には、そういうことに反対する動機がないとも言われている。
だから、日本は、率先して手を挙げて、売買春に反対する法律を整備していく必要が
あるのではないだろうか。

    ・日本は女性差別撤退条約を支持している。
    ・『人身売買』の所では、花嫁と売春に関して、人身売買という言葉が入っ
          ていない。



今回の会議の宣言案のところで、発展途上国への追加資金のことや、大量破壊兵器の
問題を、どう決着するのか。また、セクシャリティのところで、セクシャル・ライツ
という言葉は入っていない。でも、セクシャル・ライツのところでは、今、イラン、
ペニン、アルゼンチンとかが活発で、フィリピンがまとめようとしている。問題は、
セクシャル・ライツに関わる宣言文を、どう診時各区表現するかが問題なのである

今、こういった会議の文章を6カ国語に翻訳する中でスペイン語が翻訳が大変なのと
、ドキュメントの印刷スピードが遅いので、困っている。これらのドキュメントがテ
ーブルされてから、24時間以内に検討しなければならないからである。また、6カ
国語全てがテーブルされたにといけないので、検討を開始するのがどんどん遅くなっ
てしまう。


尚、前回のレポートで、国連が提供しているURLを書きましたが、そこのデータはcha
pman氏や中国人のスタッフも含め、一日中ドキュメントを集めてアップロード作業を
しているのですが、会議の数や文書の数、あつかう言語も多いので、なかなかアップ
デートも大変そうです。だから、もしかすると、ちょっとサーバーのデータがデイリ
ーには間に合っていないかもしれませんが、けっこう、タイムリーに更新されていま
す。だから、ちょっとerrorの出るページもあるかもしれませんが、そこはご容赦の
程を。

http://www.fwcw.bta.net.cn/fwcw/daw1.htm
                

ではでは。

世界女性会議にやってきたshimatanレポート No.16− 95.9.13

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