
第4回目のWOMミニフォーラムでは、青森県八戸市で地域活動を行っている「はちのへウ
ィメンズ・アクション」の方々をお招きし、地域活動と女性のネットワーク、インターネ
ットを利用した市民活動について考えてみました。
「ウィメンズ・アクション」は、文部省の「女性の社会参加支援特別推進事業」の委嘱を
受け、男女共同参画社会の実現を目指して活動を行っている市民グループです。女性の視
点から社会をとらえるため、公開講座の開催、広報紙の発行、南部女性史の調査研究を行
っています。
地域社会に根差した「ウィメンズ・アクション」と、国内外に住むメンバーがインターネ
ット上で活動するWOMは、組織形態はまったく異なりますが、どちらも「市民活動を目的
とした女性のネットワーク」です。「ウィメンズ・アクション」メンバーの田向さんが、WOM
に参加されたことから、2つのグループの交流が実現しました。
まず第1部では、「ウィメンズ・アクション」の活動について、ご紹介いただきます。
第2部では、WOMメンバーを交え、インターネットを利用した市民活動について、話し合
ってみました。
はちのへウィメンズ・アクション '97のホームページのURLは次の通りです。
http://www.hachinohe-
u.ac.jp/women97/
(この原稿は、当日の質疑応答を元に再構成したものです)
独自のグループ活動をしている女性達が集まっている
女性がPTA会長になるなんて、自分も周りもびっくり田向 私達がWOMの皆さんと交流を持つようになりましたきっかけは、今年度の活動の1つと して作成した私達のホームページから、WOMへのリンクを張る御願いをメールいたしまし たらお返事いただいたことからです。私達の活動を皆さんにも紹介したいと思いまして、 WOMのメーリングリスト(ML)に参加するようになりました。東京から離れた地域におり ますので、やはりインターネットはその距離を越えていくものだと思いました。
私達「ウィメンズ・アクション」というのは、初めからあったグループではなくて、幾つ かのグループが寄り集まった団体で、そこがちょっと異色であるかもしれません。何か目 的を持ってやりましょうと、集まったわけではなくて、それぞれが独自の活動をしている グループの人達で集まって、また新しい活動を展開しています。
その構成グループの1つが、やはりWAM(ワム)っていうんです(笑)。婦人 教育指導者講座修了者、女性の国内交流集会参加者のグループで「ウィメン・アクション・ メンバーズ」、WAMと言います。OじゃなくってAなんです。今日いらしている関本さんは、 「てんとう虫の会」というグループと共に、WAMの方でも活動なさっています。
それから、「フェミニティスクール」という、公民館主催で、未婚女性を対象に勉強会を 持っているグループからも若いメンバーが参加しています。あとは、羽仁もと子さんの「友の会」の方々がいます。羽仁もと子さんは、映画監督の羽 仁進さんのおばあ様に当たる方で、八戸市出身で、八戸市には記念館もあります。私達の 冊子『おんな 南部に生きる』で少し触れているんですけど、お父さんが「女とか、男と か関係なくやりたいことをやったらいい」という考え方で、東京の学校を受験されたそう なんです。それで、新聞社にお勤めになって、その後、『婦人乃友』という雑誌を創刊さ れた。日本で最初の女性新聞記者になられた偉大な方です。
「友の会」では、家庭生活を効率よくやっていこうという考え方の勉強会を行なっている そうです。本を読んでの勉強会や、家計簿の付け方、ケーキ作りとか、家事家計講習会を 毎年秋に行ったり、手製のクッキーを売るバザーを開催したり、子供のしつけの勉強会も あるそうです。
子供のしつけの方では、もと子さんは東京の東久留米市にある「自由学園」の創設者でも あります。トットちゃん・・・黒柳徹子さんが行ってらした学校ですね。私の知人のお子 さんが中学前まで通っていたので、伺った話なんですが、もう冬も裸足で、お豆を箸で食 べさせたり、添加物のない食事にするとか、ユニークな教育だそうです。そういう枠には まらない育て方の勉強をされているそうなんです。それから「ドリーム」というグループがあります。これには、市の女性職員の方が一緒に 参加されています。私はそこから「ちょっとやらない」って誘われまして、私もお友達を 引っぱり込んだりして、この「ウィメンズ」というのが構成されました。
「フェミニティスクール」は未婚女性対象ですが、他のグループは、兼業主 婦であったり、専業主婦であったりしますが、主婦の方が集まって活動されています。ここにいらっ しゃる関本さんは、PTA活動を通して、仲間から女性議員を出した方なんですよ。では、 関本さんから「てんとう虫」の活動についてお願いします。
関本 「はちのへウィメンズ・アクション」の代表をしている関本です。今、田向からご紹介 ありましたように、私はPTA活動がきっかけで、だんだん活動の場が広がって、今、「ウ ィメンズ・アクション」の活動をさせていただいています。
私、子供が二人おります。主人が19年前に胃ガンで病死しまして、盛岡におりましたけ れども、実家の八戸の方に戻りました。子供を育てる段階でPTA活動に加わることになり、 子供が中学生になった時にPTA会長をやったんです。一期ですけど。男性の中にも会長になれる方がいたんですが、私が当時、副会長だったから、会長に推さ れたのだと思います。私はその時、会長というのは男性がやるものだという意識でいたか ら、いくら副会長だといっても、突如、そういう機会を与えられることになりましてね、 びっくりしました。もう、本当に女がPTA会長なんて考えられない、まして農村型の地域 ですから、保守的な考え方が強いところでしてね、会長になれると思わなかったし、なる とも思ってなかったのが突然そうなって。自分もびっくりしましたが、周りも多分びっく りしたと思うんですよね。
副会長には3人の男性がなりました。その中で、活動や運営をどうすればいいのかと一週 間悩み、自分でも「はぁ、やるしかないな」ということで、一応一期2年間、引き受ける ことにしたんです。そうしたら、女性が初めてPTA会長になったっていうことで、皆さん、 周りが協力しなければならないと思って下さって、協力体制がかえって良かったんですね。 やはり「助けてあげなきゃいけない」という。男性の方々も協力的で、「何があっても、 言ってちょうだい」とか言ってくださって。
それが、今から10年も前のことなんですよね。今考えてみると、田舎の農村地帯の保守 的な所で、女がPTA会長やって、男性が支えてくれたっていうことは、すごい事だったん じゃないかって思います。「ウィメンズ」に入って活動して、勉強するようになって、初 めて、10年前の出来事はすごかったんだなぁって、そう思ったんですよね。
PTA会長、副会長OGの仲間から女性市会議員が誕生
関本 八戸市内には小中学校が45〜6くらいあるんですけど、「連合PTA」というのがありまし て、その中で「母親委員会」という、各学校でPTA会長、副会長をなさった女性の方の会 を作りました。その時も「連合PTA」の会長は男性ですから、その中で女性がグループを 作って活動することを、なかなか認めてもらえなかったんですよ。でも、2年、3年がか りで、やっと認知してもらったという感じです。
女性のPTA会長や副会長になられる方は、結構パワーのある方が集まってきているもので すから、何をやるにも活発だし、活動的だし、生き生きとしている。そんな中での活動が すごく楽しかったんですよね。でも、子供達が中学校を卒業すると共に、みんなPTAも辞 めなければならないでしょう。そこで、辞めるのが、お別れするのが惜しいなっていうこ とでOG会を作ったんですよ。そのOG会は年に2回例会を持ちまして、集まるたびに、何かやりたいという話が皆から 出ていたんですね。何をやるにしても、何をやりたいのか分からないけど、何かこのまま で終わりたくないという・・・。でたまたま伊藤圓子さんという方が、小学校から中学校 まで、もうずっとPTA会長なさった方なんですが、その方の子供さんがちょうど卒業する ことになって、なんかこのまま主婦業でおくのはもったいないから、市議会に送り込むこ とにしたんです。
その時、八戸の市議会には、たまたま女性議員が一人もいなかったんです。よそはどこで も一人、二人はいるのに、24万都市に女性議員がいないのは恥ずかしいし、何を事業化 するにも議員がいないとダメだということもあって、じゃ、伊藤圓子さんを我々の仲間で 担ぎ上げようと。ところが、出馬しようと思った時期はもう既に、他の候補者が選挙活動をしている最中で、 翌年4月が選挙というのに、10月、11月にスタートしたんです。それも、選挙経験のな い素人ですから、それこそポスターからカンバンまで、何もかも手作りで。たまたま鉄工 所をやっている方がいたんで、カンバンは作ってもらい、選挙カーにはウグイス嬢の予算 なんか全然ないし。伊藤さんは、専業主婦だからお金はかけられない、ご主人も高校の先 生なので出せないということで、500円カンパでやったんです。私達が担ぎ出すからには 迷惑を懸けないことにしようと。
皆とにかく出来ることから、行動に移そうということで、ウグイス嬢はいらないカラス嬢 で良いと(笑い)。PTAをやっている方々ってほとんど40代でしょ。きれいな声ではない けれども、それなりにね。もう、なにも分からなかったのがかえって勢いづいて、結果的には40名中37番で当選し たんです。もう、その時の八戸の状況といったら、「いやぁ、おなごが出る」っていって、 大騒ぎ。「おなごが出るって票が取れるわけないべ」って、そういう雰囲気だったわけね。 それに地元の人達はしがらみがあるから、選挙となるとね。せっかく「連合PTA」の「母 親委員会」でまとまっていたのが、それがきっかけでちょっとね、崩れて来ちゃったんで すよ。やはり、いろいろなしがらみがあって、選挙に荷担していると思われたくない・・・ と。
女性市議の後援会から、行政を動かすボランティア活動へ
関本 その選挙の際に、伊藤圓子さんを選挙に出すための発起人を決めなければならないでし ょ。あの人、この人と、目ぼしい方には声をかけたんですけども、やっぱり世間体とかし がらみがあって、とてもできない。「影の応援はするけど表には出さないで」と断られて しまったんです。最終的には、現役のPTA会長をやった者が発起人にということで、私は 「ダメだ」って言ったんだけど、もう、やるしかないってことになってしまって。「腹を くくりなさい」なんて言われて。そうなったら、「しょうがないな、発起人にはなるしか ないな、他の人に何て言われようと、どういう目で見られようと、どうでもいいや」って、 そういう感じでスタートしたのです。まー、女性が市会議員になっただけで八戸はだいぶ 変わったと思いますよ。伊藤さんが議員になったので、私達、議会の傍聴にも一生懸命行きました。そしたらもう、 男性の議員達が傍聴席を気にして見るんですよ。やはり男性だけですと、居眠りするとか、 そういう雰囲気があったみたいなんですが、傍聴席が気になって出来なくなったらしくて。 それだけでも男性議員にとっては緊張感が出て、かえって良かったとか。
そういう面では、素人で突っ走ったことが、いい結果に出て良かったんですけれども、未 だに女性議員は一人だけなんです。2月7日のリフレッシュ講座最終回に伊藤さんをお呼 びして座談会をしたんですが、これからは女性の議員がもっと出て欲しいと、励まされた んですけどね。私達が実際にPTA活動をやっていた頃ね、女性が生き生きと活動していたんじゃないのか なって思うんです。その時はまだ、生き生きだかなんだかわからなくってやっていたんで すけど、今になって、あの時の八戸のメンバーはそれらしき活動をやっていたんじゃない かなって感じるんです。それをPRする機会がなかっただけで。実際に女性の意見を外に 出す、そういうPR活動って言うんですか、そういう考え方で議員さんを育て上げられた かなって思いました。
伊藤さんを立てるために「てんとう虫の会」という後援会を作りました。(胸についたバ ッチを見せて)これが会のバッチなんですが、今ではボランティア活動の方も「てんとう 虫の会」に移って、伊藤圓子さんにこだわらずに活動しています。例えば2年間ゴミ減量対策に取り組みました。その結果、去年あたりから行政にも、ゴミ 減量対策課というのが出来て、今ゴミ減量化が進められてます。
そういう市民活動から行政が動き出して定着してゆくのかなって、思います。私達は、「ウ ィメンズ・アクション」での活動を、女性が社会参加を進める活動が、ひいては行政を動 かすことになるのかなぁっと、すごく自信を持って活動を続けられるようにしたいなと思 っています。
環境問題など普段の会話ではできないテーマを話し合う
田向 では次に「21世紀を考える女性の会」について、工藤さんからご紹介いただきます。
工藤 私は今、「21世紀を考える女性の会」という活動をしています。始めたのは3年半程前 です。その前は私、川崎に住んでいまして、夫の転「職」で八戸の方に行ったんです。八 戸へ来てから半年くらいはぼーっとしていたんでが、ちょっとやる気をおこして(笑)。
会の目的は、やはり女性の地位向上です。具体的な活動は、一月か二月に1回講師の先 生・・・先生というほどの方ではないんですけど、お話をして下さる方を呼んで、それを 聞いて皆でフリートークをする場所を設けています。別に会員が定期的に集まって、「何 かをやろうじゃないか」という会ではなくて、セミナーと言うとちょっと大げさかもしれ ないんですけど・・・。結構皆さん色々なことを思っているんだけれども、例えば子育て のこととか、環境問題のこととか、国際的な問題のこととか、女性の地位のこととかって いうのは、自分の中では思っていてもなかなか普段の会話では言えないんですよね。ちょ っと言うと恐がるような人もいるし。そこで、こういう場所に来て、皆さんが結構、あの 人も、この人も思っているのね・・・って思えるだけでもいいかなということでやってい る訳なんです。
さきほど「てんとう虫の会」では、ボランティア活動をしてらっしゃると出ましたが、 私達は、ボランティアなど何か具体的な活動をする会ではないんです。1月にも皆さんで 話し合って、3年も経ったし具体的に何かしようかという話をしていたんですけど、会員 自体そんなに多くないんですね。例えば一つ話が出たのは、使用済みの割り箸を回収して リサイクルしましょうって・・・そういう運動をしたいっておっしゃった方がいたんです。 それを私達の「21世紀を考える女性の会」でやり始めてしまうと、もう他のことが手に 付かなくなる恐れがあるんじゃないかっていうことで、そういう呼びかけをする機会には して欲しいけれども、あくまでも一人一人の心を啓発するところで留めておこうとい う・・・そういうコンセプトで活動をしてます。
取り上げてきた問題としては、やはり子育てとそれから、国際問題って言うほどのことで はないんですけど、国際的な視野に立って物事をみなければいけないとか、他は環境問題。 環境問題もただ単に牛乳パックを集めればいいというのではなく、なぜそれをしなければ いけないのか、環境問題を皆なが認識しなければならないし、それは決して日本だけの問 題ではないという話をしました。また、女性自身がもっと自分自身の能力に気がついて、 仕事であれ、家庭であれ、地域であれ、社会の中でもっと能力を発揮していくべきだとい う話題も出ました。ちょっと特徴的なのは、3分1くらいは外国人の方を講師としてお呼 びしています。1回に集まる人数は、多い時でも20人くらいで、そのくらいの人数の方 が色々な意見を言いやすいのでいいかなって思っています。
運営費は、毎回500円集めて、それで賄っています。講師はボランティアです。知り合 いのつてとか・・・。だから、結構赤字の時もあるんですけど、ほんとに予算がないんで 工夫しています。案内を出すにも一番安くできる方法、例えば25gまでは60円で封書が 出せる簡易郵便ってご存知ですか? それに、FAXがある人にはFAXで送ったりしてます。 だいたい会としてはそんな感じです。
私は、市の女性教養セミナーに参加してたまたま関本さんと知り合って、声をかけていた だいて「ウィメンズ」に、参加しました。これが、広報紙『おんでやぁんせ』です・・・ ちょっと字ばかりなんですけど。
地域活動から女性の人材が育って行く
田向 去年の報告会で先生方もおっしゃっていたんですけど、動員型の市民活動ではなく、何 をテーマにおいて、何を話したいかということが大切だと。人数ではなく中身を大切にし なければいけない。生き生きと活動するには、支え合う家族が大切
女性はネットワークするのが上手いと思うんですよ。だから、こういう小さなグループが 横に繋がっていくことで、今の議員を出した会のように、社会に呼びかけて行くっていう ことが出来ると思うんですよね。でも、まだまだ私達の方は、上下関係というか、権力を 持った年輩の方がいらっしゃると本音の意見が言いにくいっていう雰囲気がありますよ ね・・・。どこでもあることかも知れませんけど。関本 これは青森県だけではなくて、全国的な問題になっていると思うんですけど、昔からあ る既存の団体の婦人会というのは、もう高齢に達した人ばかりで、昔からの運営・活動で しょ。若い人が行ってみようかと思うと、自分達がやってきたことにすごく自信があるも のだから、押しつけようとする。だから若い人はかえってダメになって、興味がないの。 それなのにしぼむ一方で「若い人が入ってこない、入ってこない」って言うのね。だから 入ってくるようにもう少し魅力のある活動というか雰囲気を考えれば良いんじゃない…っ て言ってもなかなか体質が変えられないみたいじゃない。
八戸でも、既存の団体を変えようって言ったんだけどなかなか何も変わらなかったから、 新たに作った方がいいっていうのが、私達の誕生のきっかけなんです。今また徐々に、女 性教養セミナーを受けた新しいグループが生まれてきています。八戸の場合は、かえって それが既存の団体を刺激するという動きになっています。
田向 そういう点で、「ウィメンズ」は、年齢層が広くて、上は63歳の方までが横に繋がれる るってことは、いいことだなぁと思っています。まず、そういう活動が増えてゆけば段々 社会も変えていく力になっていくんじゃないのかなぁって。
お仕事をされている方は、社会参加を色々されていると思うんですけど、やはり、いっ たん主婦になったりすると、なかなかないですよね、活動の場っていうのは。それこそ小 さなお子さんがいれば「公園デビュー」でお話しするくらいで、何かをテーマにっていう ことが出来ないですから。私の場合はPTA活動から徐々に広がって、横に繋がっていって、 それがこういうグループ同志の交流になってきて、縦にも繋がってきています。また、「ウィメンズ」で活動を続けてきて、行政の方でも女性の力を吸い上げていく機会 が段々増えてきました。来年度は、市が女性情報誌を出すために、編集委員を公募してス タッフを作る動きがあります。
私個人では、県の「学社融合」という活動の委員にさせていただいています。これは、 学校教育と社会教育を結んでいこうという、文部省から各県に委嘱されて進められている 活動なんです。学校の週休2日制も4年後には完全になりますし、生涯学習を続けている 方達の人材活用を兼ねて、これからは両者の接点を広げ、学校教育の手助けをして行こう と。
子供の教育を考えると、まず時間がない。今の子供ってすごく忙しいと思うんですよね。 「学社融合」を進めていくと、学校教育と社会教育がいくら繋がっていても、教育カリキ ュラムが受験体制のままだったりとか、社会が変わっていかない限り、その狭間で苦しむ のは子供だなあと思います。教育に関しても、母親である女性のネットワークから何か呼 びかけ続けていけば、社会改革になるのではないのかなぁと思います。関本 平成8年度から『女、南部に生きる』という女性誌を発行してきましたが、これを手が けたことがきっかけで、私のウィメンズ・クラスのメンバーが3名程、今度県が作る女性 誌の運営委員というんですか、情報収集委員になりました。また、生涯学習の1つである 県民カレッジの運営委員も引受ることになりました。
それから、今年は、私達「ウィメンズ」が、青森市、八戸市、平賀町という、結構女性 団体の活動が活発な地域のネットワークの拠点として選ばれまして、近隣、市町村のネッ トワークを広げるような役割を与えらることになりました。今回の活動を通しての勉強が ですね、青森県全体の一つのネットワークに育ってきたというという気がしてます。特に 男女協働参画実現が全国的に言われていますよね。行政がやらざるをえないから、私達の 活動を少しでも活用したいのか、おかげでこういう勉強をすることになったんですけど。
女性の人材バンクの方にも登録して欲しいと言われてますし、私達の活動がもっとっも っと広がりを帯びていくのではないかな。拠点拠点の人達が、近隣に活動の場を広げてい くように、行政の方も考えてくれているのではないかと思いました。自主的に活動できる 方が大勢いらっしゃるものですから、その点では自信を持って送り出したいなと思ってい ます。
N そうやって女性が社会参加をやっていく場合には、家庭での理解が欠かせないと思うん ですよね。お母さんが輝かしく元気にやっていると、家族が思ってくれるといい けど。皆さんは理解が得られないといった障害もなく、家族は協力的だったんですか?関本 私達の「ウィメンズ」は、何かをやりたいという方々ばかりなので、やはり、ご主人や お子さんには説得力を持って、あまり苦もなく参加しています。皆ご理解のある家族の人 達ばかりじゃないのかしら。私は一人だから何も支障はないんだけど、お二人はどうかし ら?
田向 私の場合は社会に出たことがなくって、うちにいたことばかりで、やっぱり初めは気に はなりましたけれど。まず、夫が干渉がしない方だったので。最初はやっぱりやることは やって出て、でも、思わぬ結果ではないですけど、子供達がみんなしっかり自立しました。
工藤 私は川崎に居た時は共働きだったので、そういう点では理解がありました。だけど、今 は専業主婦なんで、やっぱり夫の方が退化して来るんですよね。
N 共働きでは彼女も働いているから家事を押しつけちゃいけないって思うんだろうけど、 専業になると奥さんに忙しいことがあっても、専業で頼んでいるんだからやってくれて当 然っていう気持ちがあるかもしれない。
工藤 ええ。それに彼自身の生活時間も変わってきているから、注意がこっちに向いている。 でも、他の家に比べると、お母さんが家に居て何にも他にすることがなければ行ってもい いでしょうって説明しているくらいだから、その辺は多分理解してくれていると思う。
田向 そういう男性は増えていますよね。30代はそうだよね。
一同 30代は割とそうだよね。
関本 40代半ば過ぎからはちょっとかたいですよね。
N 男性の方もネットワークして、少し男性側を教育してくれればいいのにね。やっぱり「すりこみ」しないと・・・。
S まず、自分の息子から(笑)。
田向 ええ、いくら年輩の方達を変えようとしても、それは意味がないって言うか、特に年輩 の男性の方なんかは、もう変えるのは無理でしょう(苦笑)。それに立場が逆になって、 自分が嫁という立場で苦労をしても、今度は息子の母親になった時に同じ事をしているか ら女の社会は変わらないと思うんですよね。ですから、やっぱり小さいうちからの教育っ て大切だなあと思います。
関本 うちの地区でね、こういう活動をしながら地域の一人一人を変えていかなければいけな いんじゃないかという話題をちらっと出すとね、そんなに変えられるもんじゃないんだと、 かえって悪いことのような言い方をされるから、ほんとがっかりするんです。それが60 代当たりの女性達なんですよね。
一同 年配の女の人は結構そうですよね。
関本 女性同士の足の引っ張り合いはあるんですよね。だから、行きたいんだけど周りを気に するから参加できない。別に気にしなくてもいいじゃないかって思うんだけど、やっぱり、 そう思われたくないらしい。だから結局、気にしない、自分は本当に何かをしたい、こう 生き生きとしていたい、という人でないと集まって来れないという状態です。
田向 1つ面白い話があるんです。私の知人のお父さんが亡くなってお手伝いに行ったんです。 で、お留守番している時に、年輩のお母さんのお友達という方達と3人でお話をしていて、 長男の嫁だと言ったら、「まあ、いいわね、おうちとか土地とかもらえるでしょ」だって。 だから、娘も長男に嫁がせたいとか言うの。そういう人が今でもいるんだって驚いた。
N 長男が土地をもらえるなんて法律のどこにもありませんよ。
最近は下手に長男のところへ行くと、財産はきちっと兄弟で分けるけど、責任だけ負わ されて、何となく損しちゃうからって、逆にお母さんは娘は長男に行かせたくないという 時代に変わっちゃっている。でもそんな化石みたいな人もいるんですね。F うちの義理の母なんか「家督」ってよく言います。家督を継ぐとかね。うちはそんなに 何もないんで・・・一応、長男なんですけど。
私はもう織り込み済みで、義理の母つきで同居しています。上手くやるとこれがまた良いんです。お母さんていうのは。だから今日は出てこれるんです。N そういう意味ではお互いに共存だよね。言い意味でのね。もうこれから子供も少なくな るし、長女しかいないでしょ。だからなおさらうまくやっていかなきゃならないですよね。
田向 やっぱり、共存ていうのは・・・欠かせない話ですよね。
家族全員、一人一人が輝ける、なんでも生き生きとやっていけるためには、子供も親も、 もちろん夫婦もですけど、支え合わないことにはと、思います。今までは誰かの犠牲の上 になってきたので、これからは子供も少なくなって行きますし、支え合う家庭作りという ものがやっぱり大切だなあと思います。
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