WOM ミニフォーラム Part 4 

地域の女性ネットワークに学ぶ

「はちのへウィメンズ・アクション」の2年間の活動と今後の展望



第2部 市民活動にインターネットをどう生かすか

助成金を得てホームページを作成


S  この「ウィメンズ・アクション」のホームページは、国の助成金を得て、作成されたんで すよね。実は今回は、この助成金の報告会のために、皆さんが東京にいらっしゃるという ことで、このミニフォーラムが実現したわけですが。ホームページは、どこで管理されて いるのですか?

MURAMOTO 村本  紹介が遅れました。八戸短期大学に勤めている村本と申します。今回、インターネット 関係の助言者として、参加しています。八戸大学と八戸短期大学は同じ敷地内にあって、 共同で使っている情報処理センターがありまして、「ウィメンズ」はそこのサーバーを使 っているんです。大学は、Webサーバーやドメインネームを持っているんですけど、大学 のホームページは他のプロバイダーに置いてあって、こちらにサーバーは有るんだけど誰 も使ってないわけなんです。だからここにページを作っても文句は言われないだろうと。 実際、大学でも文句は言われず、そういう状態なんで、このサーバー上にあるページとい うのは実はこれだけなんです。
 古い組織ではないですけれど、このサーバの管理を誰がするかとなると、どこかが責任 を負うわけなんですが、ボランティアもいないので引き受け手がいなくて。で、正式にと いうわけではなく、色々な実験の場としても使わせてもらっています。

N  実際にこのページを書いたのは村本さんですか?

村本  実際に内容を書いたのは田向さんで、HTML化はそれをテキストで送ってもらって。あと、 絵も田向さんが描いたんです。

S  女性関係のことだけ載せているということで変なアクセスって有りませんか?すぐ、そう いう危ない話になってしまうんですけど・・・。

村本  ほとんど地元のプロバイダーからのアクセスが多いですね。それはこの活動を知ってか らということでしょうね。リンク依頼している所とか、地元のプロバイダーとか。あとは、 色々なリンクページの中でそこから飛んできたんだなというくらいで。県内が多いですね。 変なアクセスというのはないです。

S  WOMも助成金をもらっているんですけど、助成金を出す方が、既存の団体の活動をベース に考えて助成するので、どうしてもインターネット上の活動だけだと、活動として見てく れない部分があるというのがジレンマなんです。実はインターネットだけでやると、みん な好きな時間にアクセスして見れるから、参加できる幅が広がるんですけどね。
 それから、電話代が出ない。インターネットは電話代がかかるから、家で活動するた めには電話代を出さなければならなくて、ほとんどの場合、電話代に悩まされている。う ちの場合、旦那に「おまえちょっと使いすぎだ」って言われて、別の回線を引いているん ですけど。

F  私も貯金食いつぶしながら電話代出してますよ。

N  私はね、ほとんど会社でやってる。これ、おうちに帰ったら 自腹切んなきゃならない から。うちの主人なんかインターネット繋ぎっぱなしで、トイレ行ったり水飲みに行った りするから、「消して、消して」って私の方がうるさく言ってる。

WOMメンバーの接点はインターネット

田向  WOMの皆さんはどういうきっかけで集まったんでしょうか? 皆さんが、ネット上でお知 り合いになったんですか?

F WOMの活動の前に知ってた?

WOMメンバー一同 いいえ。

S  WOMは、「ウィメンズ・アクション」みたいに、元々市民活動をやっていたグループがイン ターネットを始めたのではないんです。

N  インターネットが先だったからね。

S  お互いに、全く接点がないんだよねえ・・・。私は、コンピュータ業界には知っている 人は全くいなかったしね。WOMはインターネットがきっかけで集まったから、仕事してい る人が中心で、子供を保育園に行かせてるいるくらいの年齢の人が多い。「ウィメンズ」 はPTAが終わって活動を始めたそうですが、WOMはPTAにも行かないうちから始めちゃっ た若年層というか、若年って言っても・・・・。

N  まあ、実年齢はともかく、保育園に預けなければいけないくらいの小さなお子さんのい る人が多いでしょう?育児の話題もやっぱり保育が中心で。小学校に上がらないと、本当 に教育って話は出ないかも。まだ躾の段階だよね、みんな興味があるのはね。

H  そういう意味では、世代で固まっちゃったってありますよね。

S  多分、私達の世代は、子供が産まれて、保育園のこととか子育て環境に憤りがあって、 そこにインターネットあったから・・・・。

H  インターネット・ブームが始まった頃で、珍しい物好きが集まってしまったのかもしれ ない。

S  子育ての情報がインターネットに載り始めて。ちょうどその頃に出会った人が多いんで すよね。

会社組織以外への社会参加を可能にするインターネット

N  私は逆に、技術的な方向から入ってしまったから、仲間内に女性が非常に少なかったん ですよ。私の会社は一人一台机の上にコンピューターがあって、全部が社外のインターネ ットにも繋がっているんです。そういう意味では非常に恵まれた環境にあるんですが、そ ういう環境にいる女性は少ない。でも、こんな便利なものが女性の活動に使えたらどんな にいいかと思ってたんです。ただ、それを個人で買ったりとか、環境をそろえるには、パ ソコンが普及する前だったんで難しかった。どうしても会社で繋ぐ人、それから学校とか 大学で使っている人がインターネットコミュニティの中心になっていたんですよね。

 でも、とにかく場を設けなければ始まらないってことで、知人の誘いと、VCOMからの絡 みで・・・WOMの立ち上げに加わりました。VCOMは色々な企業から寄付を頂いているんで す。私の勤めている会社も寄付をしている会社の一つで、ま、業務の内容が近いとか、そ ういう絡みも多少あって紹介されて、女性のためのネットワークを作ろうっていうことに 関わることになったんです。

 WOMを作ったその頃に、ちょうどインターネットが流行り始めたんですよ。パソコンブ ームでどこのおうちでも買うようになって。個人向けのサービスが開始されるようになる と、家庭でインターネットが出来るって、そういう時流に乗って うずうずしていた人達 が、WOMのホームページを見つけて、どんどんアクセスをしてくれて、その結果色々な人 と知り合えるようになった。

 働いている人は社会に接点があって、働いていない人は社会から隔離されていると、よく 言われますが、働いているっていうのは、単に会社で仕事をしているっていうだけで、決 して社会との接点ではないんですよね。私はずっと働いていて、むしろ比較的自由って言 うか、ある程度自分の時間の中でいろんな活動をされている専業主婦の方をうらやましい なって思うことがあります。無い物ねだりでお互いに一長一短ありますけどね。

 だから、インターネットみたいなものがあると、仕事の片手間とかね、細切れの時間で仕 事と関係のない人とコミュニケーションが出来る。それが私にとってはものすごくうれし いことだったんです。それまでは、会社勤めしてたらボランティアみたいな事は絶対無理 だと思ってたんですよ。9時から5時まで拘束されて、家帰って、私、一応主婦なんで、 あんまりやってないけど、ま、一応肩書きは主婦なんで、家のこともしなくてはならない し。なかなか時間が捻出できないって思ってたんです。そういう意味では、インターネッ トのおかげで、ちょっとだけでも社会貢献が出来るかもというので、うれしいと思ってい ます。

S  私も会社じゃないんですけど、組織で働いています。やっぱり「おやじ」達に囲まれて いると、自分も「おやじ」になってしまうんですよ。そこでやって行くためには「おやじ」 感覚がないと。さっきおっしゃっていた婦人会がダメだというのと同じように、どうしよ うもないんですよ。古い組織になっちゃうと、ヒエラルキーがあって、意味のない決まり 事が多くて。改革しようとしても、「前はこうやっていたから」と言って変わらないんで すよ。「あの人がこう言ったから立てなきゃ」っていうのが多いし、政治的なことがある し・・・。

 私がWOMをやっていて感じるようになったのは、会社人間とか組織人間っていうのは非 常に組織の中では頑張っているんだけど、それ以外の世界がない。男性の場合、家庭も顧 みないっていう人がいるでしょう?会社とか、仕事だけで満足しちゃって、実は大学を卒 業してから定年までにせいぜい20人くらいの人としか出会っていなかったりする。ある 意味では非常に狭い世界だし、自分のやりたいことはそんなにない。私とか意見をどんど ん言う方だから嫌われていると思うんですけど・・・、それでも言うことは自由だけど、 自分の裁量で色んな事をやらせてもらう機会って無いと思うんですよ。

 ところがWOMの活動だと、自分で好きなことを言って、インターネット上という限られ た世界ではあるんですけど、実現できる世界がある。そういう意味では魅力的ですよね。 ちょっと仕事しながら、ちょこちょことメール書いたり・・・。

F  みんな絶対この時間帯、会社にいるよな・・・って時にメールが出ているんだよねー。

インターネットを見せることから、使うためのデモへ

工藤  オフで何かをやるということはないんですか?

S  前は定期的にインターネットに繋いでいるという状況に意義があったので、あと、それを 厭わないメンバーがいたのでよくデモをやっていたんだけど、最近はもうあまりやらなく なったんです。今年は、3月8日に戸塚の女性フォーラムで、横浜市の助成金でやります。

 以前は恵まれた環境でインターネットをやっているメンバーが多かったので、ISDNをひい て、機械を持ち込んで、コンピュータをみんな繋げて、回線繋がったままでやってと、デ モに20万円くらいのお金をかけてやっていたんですよ。今年はそれを止めてPHSでやる ことにしたんです。やはり女性でISDNを家に引いて、設定しているのは、そんなにいな い。ISDN引いている人は専門家ですよね?それよりも、個別に、PHSとか普通の電話回線 でやって、自分でインターネットをやりたい時にこういう風にやるんですよ、という話を した方がいいかなと思って。去年は、ばりばりに繋がっていて、(赤外線)飛ばしてやる のもあったんだよね。実際の回線だけじゃなくて。それもいいんですけど、「私はインタ ーネットが繋がらないんです」って言われて、発想を変えた。

N  そうそう、まだ、去年や一昨年は、インターネット自身は話題に上っているけど見たこ と無いって言う人が多かった。今はね、TVでもやっているし、インターネットカフェもい っぱいできたし。だから、繋いで見せることはそんな珍しいことでもない。

S  インターネットだけを見に来る人はいなくなっちゃたよね。

F  今、PHSでメール飛ばせるじゃないですか。あと、ポケベルでも受けられるし。安価な PDAでも受けられます。

N  最初の頃は、こういうツールが有るんだよ、このツールがあると便利だよ、っていう話 で盛り上がったけど。今は、だんだん電話と同じように身近にになってきてるから、「電 話があっても当たり前でしょ、話す内容が問題になって来るんじゃない?」ってことにな ってくるでしょうね。インターネットに繋いで、次は何するの?どうするの?という段階 にきてると思う。

F  かなりイニシャルコストも下がりましたよね。

地域情報の蓄積されたページをネットワークしていこう

N  最初の頃は、デモで、説明員をやっていたんですよ。そこで、「じゃ、私もお家でやる ことになると幾らぐらいかかりますか?」って質問されると、答えに詰まってしまうんで す。パソコンも持っていない家で始めようとすると、まずパソコンが10万円以上。今は 安くなったけどあの当時は20万円以上して、電話回線で電話代がかかって、プロバイダ ーでさらにいくらかかかってって。「そんなにお金をかけていったい何ができますか?」 って聞かれてね、個人でインターネットをするとうれしいことがあるという説得力に欠け てましたよね。

F  パソコン通信とどう違いますかっていうことも言われましたよね。コンテンツも少なく って・・・今はコンテンツも充実してきましたし・・・。

N  公共機関が、ホームページを持ち始めて、かなり内容が増えましたね。

F  これからは地域情報の充実ですから。地域の人達がどれだけ頑張ってサーバーにため込 んでいけるか、そして、検索しやすく作っていただけるか、ですよね。ホームページも、 もう、見せびらかすような活動ではなくて、各地の皆さんが頑張って内容を充実させて下 さい、という時期に入りましたよね。

N  それぞれの情報を一極集中する必要はなくて、それぞれのところで暖めていればいいん ですよ。それこそネットワークで必要なときに見に行けるように公開してさえくれていれ ばいいんですから。

F  それに、地元の人達だけでなく、他の地方の集まりにも参加できますからね。時間と、 場所、瞬間を超えられるからすごくいいですよ、インターネットは。

田向  本当に色々な登山口からの登り方で、みなさんが繋がっていければいいと思います。 WOMの総合案内にあった、インターネットを使った女性グループですが、「方法が違うだ けです」っていう言葉がすごく印象に残っています。私も、方法はどんな形でもいいと思 うんですよね。意識っていうか、考え方が同じならば、色々な所から山に登っていって、 頂上にたどり着けばいいと思うので、色々な方法を使ったグループが繋がっていければい いなと思うんです。

 今回の活動を2年間やってみて、大事なことはネットワーク、一人一人のエンパワーメン ト、それからパートナーシップですよね。それは三角関係でみんな繋がっていて、双方向 性がある。どれが欠けてもダメだし、反対にその3つが繋がるとすごい力になるんじゃな いのかなと思いますね。

N  こういうたくさんのグループの集まりって良いですね。先ほどおっしゃっていたように、 頭数を集めて何かするんじゃなくて、それぞれの団体は気軽に身動きが取れる。一人一人 「あたし、こう思うんだけど」って言えるような場があって、それぞれ皆生き生きとして いて、その上でグループ同士の交流ができれば、いいと思うんです。全体としはてものす ごく大きい組織みたいなんだけど、一個ずつは独立してその地域で活動している。各人、 自分が心地の良いところに参加させてもらうの。

 行政を動かすにしても、各々きっと意見があるから、組織が大きいと「私はこうだけど 組織がこうだから」と意見を曲げてしまうこともあるかもしれないけど、このぐらいの問 題なら自分一人で、とか、ある時はこの人達と一緒にこっちに賛成しようって、フレキシ ブルに出来るでしょう。そういう地域の活動ってすごく良いと思う。

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30 May 1998 by Honda