WOM ミニフォーラム Part 5

 

今あらためてユーザに優しいホームページとは?


1998年3月26日
講師:永野美奈子さん
藤村三枝子さん

第5回目のWOMミニフォーラムでは、WOM設立当初からのメンバーである永野美奈子さん、藤村三枝子さんを講師に迎え、ウエッブ・ページ作成のフィロソフィーについて考えてみました。まず、利用者にとって使いやすいホームページについて、お仕事で豊富なインターネット歴をお持ちの永野さんのお話を伺いました。その後、ウエッブ・ページ作成の新しい技術スタイルシートについて、藤村さんから解説していただきました。ここでは、永野さんのお話をご紹介します。
(この原稿は、当日の質疑応答を元に再構成したものです)


何のためのWebSiteを作るのか、初心に還って考えてみよう

Mosaicで半ば“趣味”的に社内用のホームページを作成


Ms. NAGANO  簡単に自己紹介しますと、私は現在某外資系コンピュータ会社で社内の情報シス テムのお世話をする仕事をしています。で、いろいろある仕事の中の一つに、いわ ゆるイントラネットの導入という仕事がありまして、これは Web のサーバーを立ち あげて、社内情報をみんなで共有できる環境を作るわけなんですけど、そういう仕 事をしていた折に WOM をたちあげる話があったんです。それでちょうど仕事と、仕 事から得た自分の知識がそのままボランティアで活かせるな、と思って WOM に参加 しました。

 そもそも私の Web との出会いは割と早い方だったと思います。 日本でまだ Web なんて知られてなかった頃に、Mosaic っていうブラウザがあった んです。あれ「もぜいく」っていうんですよ、本当の読み方は。もちろん日本語版なん かない頃で、英語版の物をいち早く社員の一人がアメリカからダウンロードして きたんです。それで、こんなのがあるんだよって実際に見せてもらったんですが、 その時は画面のリンクされた箇所をマウスでクリックするとポンと別の絵や音が出 るというのが、ゲームとか遊びに近い感じがしました。まぁ、それでも社内にいっ ぱい転がっている文書をまとめるツールとして面白いかもしれないという直感はあ りました。

 で、その後 NTT が、日本で初めてだと思うんですけど、http://www.ntt.jp とい うURLで WebSite を立ち上げたんです。最初はまだ ntt.co.jp というドメイン 名じゃなかったんですね。私もまさかこんなにたくさんの WebSite が立ち上がると は思っていませんでしたから JPNIC (社団法人 日本ネットワーク インフォメーション センター)もしばらくは www.xxx.jp で充分だろうと思っ てたのかもしれません。

 その頃あたりから、Web がポピュラーになるかもしれない、「かなりこれは凄い ぞ」と言う気分は業界にもあったんですけど、当時なかなかそのあたりが上司に理 解してもらえませんでした。ああいう「遊び用のツールを社内に入れてもねぇ」と いうのが理由だったんですけど、結局仕事として認められないままに半分趣味だと 思われながら社内用のホームページを作成しました。実際、個人用プロバイダーも なかった頃なので多少は“自分の趣味”的に会社のリソースを使ったということも あるんですけど(笑)、やはり仕事場なのでそうそう好き勝手に作成できませんで した。

北京会議がきっかけでWOMの立ち上げに参加


 そうこうしているうちに Web は面白いぞと思う人たちが随分増えてきたようで、 まさにそのころ WOM という女性のための Web を立ちあげようじゃないかという話 がでたんです。ちょうどその当時、北京会議(第4回世界女性会議)が始まるということで、海外の WebSite とか、大学や研究所では北京会議に向けての資料をインターネット上に公開してた んですね。

 で、その資料を日本語に訳したり、その場所をリンクするだけでも相当 便利なページになったわけです。北京会議はかなり注目されていましたし、横浜女 性協会などの公共機関や関係ネットワークにURL情報を流したこともあって予想 以上にアクセスがありました。とりわけ国外からのアクセスが結構あって、これは 日本より海外の方が Web 環境が進んでいたのと、英語のページも一生懸命作ったので、興味を持ってくれて・・・。つまり日本の女性たちが北京会議に向けてイ ンターネット上で活動しているという事が外国には受けたんじゃないかと思いま す。実際に北京から受け取った情報を日本のマスコミより早く載せたりできました から、ホームページの作り手としてはエキサイティングな日々でした(笑)。

 このように私は会社のページやら WOM のページやら、ず〜っと他人の ページを立ちあげることをやってきました。だからページを作成するときはどうし ても作り手の気持ちよりも、読み手の立場で作ろうとしちゃうんですよね。

成功するWebSiteの秘訣は、速報性と継続性


 さて、アメリカに WITI( Women In Technology International)という団体があって、要するに女性 の技術屋さんのための団体みたいなところです。で、ここが、毎年女性エンジニア のためのカンファレンスを開いているんです。
 2年前、1996年にたまたま会社からこ のカンファレンスに行かせてもらえたんですが、2年前ですから丁度 だ〜っとインターネットブームがあって、日本でもそうでしたけどアメリカでもブ ーム真只中で。その中のセッションの一つに「成功する WebSite の運営の仕 方」というのがあったんです。実は私、それを聞いてきて誰かに伝える機会もなく 密かに自分だけで温めてしまって・・・。まあ、人に話せるほど吸収してこなか ったというのが正直なところなんですけどね。で、女性向けの「育児とキャリアの 両立」とか「グラスシーリングとどう戦うか」といったセッションの中にこういう 演題があったってことは、それだけ WebSite の運営というのが注目されていたってこ とだと思います。

 その中で一番印象的だったのは、「成功するためにはまず何かというと、小手先の 技術ではない」と言っていたことでした。で、アメリカ人は講義中にパフォーマン スをよくやるんですけど、「成功するWebSiteというのは、つまりですね・・・」 と、タイトルの OHP をパッと表示したあとに、いきなり sex,sex,sex って書いた のをパンと出して、みんながぎょっとしたところで「・・・じゃなくってぇ」っていうことをやるんです(一同笑)。

 インターネットの最初の頃ってエッチサイトが 一番アクセスが多かったじゃないですか。で、そうじゃなくって「アップデートを すること。出しっぱなしじゃダメだよ、注目させるための技巧的なことももちろんだけど、内容がエキサイティングでなくてはいけないし速報性が一番ですよ。」 ということを言っていました。ホームページって昨日見た人でも今日は何か変わっ ていることあるかな・・・と同じ人がまた見に来るんですよね。まあ、結局はアク セス量を増やすことが成功のバロメーターなわけなんですが、私はそれにプラス継 続性というのがあるかなと思うんです。

 出版物だと絶版っていうことがあるじゃないですか。雑誌だと販売期間が終わっ ちゃうと、先月号とか、前の号が見れないんだけど、Web だと新しい物も見れる し、過去の物も見れる。そういうのが継続性としての WebSite の利点じゃない かと思うんです。ホームページから音や、画像が出るというのは確かに普通の出版 物とは違う点なんだけど、それはツールとしての特性と言うか、味付けでしかなく って、その本質ではない。やっぱり Web の本質は、速報性と継続性に耐えうる点だ と思います。

何のためのWebSiteか、コンセプトを明確に


 さらに重要なポイントとして、運営する WebSite は誰のために作られているかと いうことがあると思います。自分の満足のためなのか、それとも実験や何かを検証 するための技術的な場所なのか、それとも他の誰かのための WebSite なのか。初心 にかえって「一体何のための WebSite なんですか」っていう基本のあたりを考えて みることも大切だと思うんです。

 見る人というのはわざわざやって来るわけですよ ね。お金をかけてまで・・通信料金をかけてまでわざわざやって来るわけですよ。 その、わざわざやって来てくれる人のために見てもらうための WebSite なのか、見 たい人は勝手に見ろっていう WebSite なのか。そして来た人が満足するような 内容を提供することが第一なのか、デザインが第一なのか。目的によって違っ て来ると思います。

 で、結局、Webの本当に必要な物は設計思想というか、どういうコンセプトで、何 を目的に作っているかということと、情報の正確さ、だと思うんです。正確さの中 には古くなってしまった情報の更新とか、間違っていた情報の修正といったアップデ ートも含まれるわけなんですけどね。それと、正確さっていうのは内容だけじゃな くて、表現・・・例えばこれは技術的なことになってしまうんだけど、html の書き 方の正確さも要求されるんではないかと思っているんです。

WebSiteのデザインはアクセサビリティを考慮して


 話が飛びますが、阪神大震災があった年の暮れ(1995年11月)に、日本インターネット協会主催で第1回ジャパン・ワールド・ワイド・ウェブ・カンファレンスというのが神戸で開かれました。国内の様々な事例や実験の結果が発表されたんですが、その中で、Web は障害者にも情報提供できる方法だっていう話が出ました。

 その時に、会場内のある女性の方が、眼科医だと言っていたと思うんですが、こんな ことを発言していたんです。「音が聞こえなくても心配ないように、とか画像が見 えなくても心配ないように、という配慮をしてくれるケースはあるのですが、みな さんは色覚障害の方のために配慮したことがありますか?平気で色々な色を使い、 識別できなければ先に進めないような非常に見づらいページを作っていませんか ?」と。

 「ああ、なるほどそういうことって、言われないとなかなか気がつかないことだな」 と思って、その時からアクセサビリティっていうのに興味を持ったんです。Web ア クセスがバリアフリーに近い形で出来ればいいなぁと思って。つまり今まで話 してきた内容ということに加えて、たくさんの人に優しい「作り」をした Web が実 は理想なわけです。

 そうやって何が大切か考えてゆくと、デザインに凝るべきページと、内容があれ ば極端な話、文字だけでもいいじゃないかというページがあると思うんですよ、目 的によって。もし内容が“売り”の WebSite だったら、どういうふうにしたら見や すいか、アクセスしやすいか、あと、情報を求めている人にどうしたら探しやすい かを考えながら作っていかなければならないと思うんです。ついつい、作り手の見 やすさとか作りやすさとか、そういうふうに作っちゃうんだけど、本当に必要とされ る Web というのはそうじゃないんじゃないかしら、という話なんですよね。見やす さという点はデザインとのバランスということになるんでしょうけど・・・。確かに 個人差もあって、このバランスをうまくとるのは難しいと思います。

文法を間違えたHTMLでも優しき Web ブラウザーは読んでくれるが…


 そして、もう一つの正確さという方向から言うと、世間には間違ったホームペー ジがすごく多いんです。以前は、というか、今でも WebSite の中で、例えば 「html の書き方」とか、「JavaScript の書き方」とか、「Java の入れ方」とか、 ホームページを作るための「How to もの」の WebSiteってたくさんありますよね。 yahoo とか Infoseek で検索をかければたくさん見つけられます。

 ところがここ半 年くらいの間に、どちらかといえば思想的なこと、技術的なことではなくて「ホー ムぺージはかくあるべき」みたいなことを一生懸命書いてある WebSite だとか、文法 的に正しく書かないといくら見かけのデザインや絵が動くだのなんだのと凝っても それは間違ったホームページですよ、というようなことを訴えている WebSite が目 につくようになってきたんです。どうも、意味もなく音が出たり文字が動いたりす るページで人目を引く時代ではなくなってきて、どんな内容を提供するか、どのく らい正確な作りをするか、というのがトレンドになってきているように思えるんで す。

 間違ったホームページっていうのは、どうしてそうなってしまうかと言う と、多くのホームページを作っている人の中にはツールしか使ったことがない人っ ていると思うんです。それから「私は手書きでやっています」と言う人もいますけ ど、じゃあ、その手書きというのはどうやって作ったの?と聞くと、誰かのを見て ちょっと手直しをしたとかね、その後は、書きながら自分の Web ブラウザーで見て みて、「よしよしこの見栄えだな」って作っているとか、まあ、他には市販の本を 見ながら作っている人もいますけど、みなさん、最終的なチェックはブラウザー任 せだと思うんですよ。

 で、正しい文法というのが html にはありまして、でも、ブ ラウザーが非常に賢いというか、チェックが甘いわけです。というのも、あんまり 真面目に文法をチェックしてると読めないページがたくさん出来てしまって結果的 に使いづらいからなんです。でも、チェックの甘いブラウザーを使って、html を書 いていると、つまり、「間違った言葉を話しても、理解してくれる優しい先生がい たために、いつまでも言葉は上達しませんでした・・・」っていうことになっちゃ うんですよね。

TAGの意味を正しく理解しよう


Ms. NAGANO  実はブラウザーで表示することが正しい事じゃないんです。具体的に言うと TAG には働きだけじゃなくちゃんと意味がある。これは、私もずっと間違えていまし た。

 WOMの初期の頃は、まだ市販本の中に html の本が一冊もなく、『やさしいホームペ ージの作り方』というテキストを作って300円で売ったことがあるんです。でも、売 ったと言ってもそれは試作版でね、10冊程作って、中野の末廣のセミナーで、来た 人に「どう?」って売りつけて(笑)。あの当時日本語で書かれたドキュメン トがなかったから、喜んで買ってくれた人がいたのはいいんだけど、今見ると結構 間違いがあるんです。間違いって言うのは html の思想的なことをあまり知らずに 英語のドキュメントをそのまま訳してしまったからなんです。その代表的な間違い は、文字の大きさです。

 html の TAGを書いたことある人は分かると思いますけど <H1> とか <H5> という TAG があります。H1 の H はヘッダーの H なんですけど、つまり見出しの階層を意 味する TAG で、文字の大きさを意味する TAG ではないんですね。例えば、<H5> と 記述したら大抵のブラウザーは5段階の文字サイズの内、一番小さな文字を選んで 表示してくれます。でも、そんな表示方法の決まりなんて一つもないんです。<H5> というのは、その文章の中の見出しの5番目の階層という意味だから、例えば、文 字の色を黒から段々にグレーにするという決まりにして一番薄いグレーで表示して もかまわないし、それからインデントで寄せる表示方法でもかまわないんです。

 たまたま Mosaic とか、その後の Netscape とか IE とか、メジャーなブラウザーが 文字の大小という表現方法を使っただけで、現に Lynx という Text だけで表示す るブラウザーは文字の大きさを変えることが出来ないんでインデントするんです。 <H1> だったら左端、<H2> だったらもう少し右、<H3> だったらさらに右・・という 感じで。

 このヘッダー TAG の使い方にはもうひとつ間違いやすいことがあるんです。普通 だったら大見出しの次に中見出しを抜かして小見出しを使うのはおかしいわけで、<H1> の次に来るヘッダーは <H2> でなければいけないんです。ところが <H3> 位の文字の大きさが欲しいがためについ <H3> を使っちゃうんですよ。それはもう大間違い。自分のブラウザーで正しいように見えるから正しいと思ってしまうんですけど、別のブラウザーで見ている人はヘンチクリン見えていたりするんです。たまたま今は見ている人のブラウザーのシェアが Netscape と IEで二分されていて、あたかもそれらしかないように思えますが、実は他にもいろいろなブラウザーがあるんです。メジャーなブラウザーだってバージョンアップしたときに仕様をどう変えていくか分からない。だから TAG は本来の意味を持った物を使いましょう、ということなんです。

 例えば <FONT size="-2"> はサイズを表しているから、マシンが持っているフォ ントサイズの中から小さい物を探して表示しなさい、という意味で、サイズを表し たいときにはこちらを使わないといけないんです。そういう風に TAG には意味があ るってことを私も最初は知りませんでした。多分まだ知らない人ってたくさんいる と思うんですよね。そういう文法の間違いのせいで表示が思う通りにいかないときがあるわけで、これをブラウザーのせいにしたらブラウザーが可哀相です。

イメージには、ALTオプションを付ける


 あと、もう一つ、間違いではないんだけど気を付けたい例を紹介します。イメー ジを張り付けるとき、<IMG src="xxx.gif"> という書き方をすると思いますが、オ プションを付けないことが多いですよね? align オプションで位置を指定するくら いはあるかもしれませんが・・・。

 で、絶対使ってほしいオプションで、alt オプションというのがあるんです。alt=" なんちゃら" って指示しておくと、最近のブラウザーだとマウスを絵の上に持って いったとき、指定した”なんちゃら”っていうテキスト文が表示されるやつなんで すが、例えばまた Lynx の例を出しますけど、この場合、絵が表示される場所にこ のテキスト文が表示されるので、絵が見えない環境でもそこにどんな絵が張り付け てあるか想像できるんです。これだけの努力で視覚障害を持つネットサーファーに も優しいページに仕上がるわけです。

 alt オプションがなくて不便するのは絵をクリックしないと次のページに行けな いような作りをされているページ。絵が見えなければクリックしてみないとどこに 飛んで行くかわからない。一番恐いのはクリッカブルマップですよね。絵の中の特 定の場所をクリックするとどこかに飛んで行くって言うのは、見栄えも良かった り、わかりやすくてやってもいいと思うんですよ。ただ、その代わり文字でも行け るリンクをどこか下の方にでも小さく入れるとかね、そういう配慮をして欲しいと 思うんです。

 クリッカブルマップを作る場合は必ず、文字しか見えない人でも困らないように 配慮する。それから <IMG> TAG にはオプションを入れる。そして TAG の意味を正 しく使う。・・・という作りをするだけでいろいろな人が救えるはずなんです。

アクセスしやすいWebSiteのガイドライン


 では、その正しい html はどこに行けばわかるのか?標準がどこかにあるはず だ、と言う話になるんですけど、これがまた業界にありがちな「デファクトスタン ダード」と言って、個々の会社が勝手に色々な新しい TAG を作って、ポピュラー になったものが標準のように扱われてしまうことがあるんです。でも、どれが正し と言うとき、信用できる団体があります。W3C( World Wide Web Consortium )という非営利団体です。本部は確か MIT にあります。アジアの窓口は慶応大学にありま す。様々な企業、学術団体とか大学、そう言うところが集まって、どんどん勝手に 進んで行ってしまっている WWW の世界の発展を促進し、標準化をしていこうという 団体なんです。ここが html 標準バージョンというのを発表するわけですね。世の 中の動きと、すでに出回っている TAG を検証して、これで行きましょう、と決めて いくんです。

 でもここで発表される TAG は慎重に検討されるので、世間で既に使 われていても標準として認められるのはちょっと遅れるわけです。だから最新の TAG っていうのは入っていないケースが非常に多いんです。フレームが認められた のもつい最近のことですし・・・。ちなみに html のバージョン 4.3 のドラフトが 2、3日前に発表されたんですけど、関係者の間でこれは「出ました!」ってニュ ースになっていました。製品を作っている人達はこの標準仕様になるべく合わせて 作りたいわけですから。

 W3C には色々なプロジェクトがあって、その中の一つにアクセサビリティとい う、もっとアクセスしやすい、人に優しい Web というのを考えていこうというグル ープがあります。このグループが 、WAI (Web Accessibility Initiative)というんですが、3月4日に Web Accessibility in Japan '98 という講演会を開いたということがつい最近新聞に紹 介されていました。日本でもアクセサビリティについて熱心に検討している人たち がいて、WAI の発表した報告書などを早い時期に翻訳して Web で公開してたりしま す。

 この報告書の中には、さっき話した間違い html のこと、alt オプション入れて ますか? とか、スクリプトを入れていたら、スクリプトが動かなかった場合の代わ りのものをちゃんと用意していますか? 光ったり、動いたりするような Text は 「やだ」って言う人のために止められるようになっていますか?といったチェック 項目表があるんです。

 作り手の都合を押しつけるんじゃなく、見る人の環境に応じられる、という発想 で作って行けばだいたいは間違いはないと思います。だから、フレームなんかもそ うなんですよね。フレームが不都合な人でも読むことができるようになっているか とか、あとは <A> TAG の target オプションでブラウザーのウィンドウを勝手にポップアップさせる作りの場合、出したくない人のことは考えてあるか・・・。つまり、そ こまで考えてますかということで、作る側にしてみればかなり厳しい基準だとは思 います。

HTMLの文法をWeblintでチェックしてみる


 それでは自分の作ったホームページの TAG がどの程度正しいか、みなさんやはり 心配になると思うんですけど、手っ取り早くチェックを機械にお願いすることがで きます。Weblint というフリーソフトなんですけど、日本語対応の jweblint とい うのもあります。それにだ〜っとかけると、ここが悪い、あそこが悪い、とメッセ ージを出してくれるんです。

 また、Web 上で jweblint にかけてくれる WebSite があります。ちょっと URL をメモ し忘れてしまったんですけど、「html 文法チェック」で検索すればすぐ見つかると 思います。あと、 Another HTML-lint gatewayという WebSite で、 URL を書いて start さ せると、「はい、何点」って出してくれるところもあります。相当厳しいって噂で す。そこでかなり高得点を取れたら、それはお墨付きで「OK」と誇って良いかもし れませんね。

Q  すると、PageMill などで作ったホームページをテストにかけてみても、マイナスではないけれど、100点取れる可能性はないんですよね?ツールで書いたTAGも、これに照らし合わせて見れば、もしかしたら間違っている場合もある・・・。

 間違っているというか、足りない・・・。さっき言ったように alt オプションはな くても目的を果たすわけだから、なくたって文法的に間違いじゃないんだけど、あっ た方がいい、というものでひっかかるかもしれないです。つまり、絶対こういう記 述でないといけない「必須」と、こうした方がより望ましい「推奨」があるんです よ。で、html 作成ツールで多分必須の物が欠けることはないでしょう・・・。ただし、「推奨」が足りない可能性はある。

 個人のホームページとかはね、「必須」があればそれでも十分だと思うんです よ。だけど、企業とか・・・WOM もそうだと思うんだけど、比較的公共性の高い WebSite は「推奨」も含めて本当は作った方がいいんじゃないのかな、と思うんで す。もちろんあまり html が難しくなっていくと「どうしても書けないわ」ってい う人が出てきてしまうと思います。そこが多人数で運営している WebSite の難しい ところではありますけど。でもね、よくよく考えると内容が大切なわけですから大 半の人は html 書けなくても内容が書ければOKなんです。ツールにぶち込んで html にしてもらった後に Weblint にかけてちょっと手直しすれば立派なページが 出来上がるんですもの。その内容を書く人が必ずしも立派な Web を書けなくたって 問題ないと思います。それはある程度分業というか、得意分野でお互い補え合いな がら少しづつ勉強していけばいいことじゃないのかな。

公共性の高いWebSiteは、デザインに一貫性を


 ま、そういう動きがあるっていうのを良い機会だからみなさんに紹介しました。 ちょっと、あまりにも Web の技術的なことに、技術系ばかりではないWOM の人たち を巻き込むのもな・・っていうところも実はあったんですけど。ただ、公共性 の高い Web を作って行くに当たって、もう少しアクセサビリティを上げていった方 がいいんじゃないかと思って。というのも以前は WebSite を立ち上げていればそれ で注目されてたけれど、段々、面白い内容とか、役に立つ内容とか、内容で評価さ れるようになってきましたよね。で、この次は、内容にプラス、アクセサビリティ かなって感じているんです。

 今までのちょっと技術的な問題とは別に、見やすいデザインの問題というのもあり ます。特に同一 WebSite の一貫性という事に注目しているんですが、複数の人達で 運営しているとそこが一番難しいいところだと思います。一人でやっている分には 一貫性は比較的あるんです。その人の思想で作るから。何人かで作ってやっている ようなWebSite っていうのは、ルールブックみたいな物があって、そのルールブッ クに合わせてみんなが作るようにしていかないと、ばらばらなページが散乱してしま うことになりかねません。

 で、デザインの一貫性というのは同じカテゴリーのページは同じ雰囲気で作成した方がいいということです。同じマークを入れるとか、色合いを統一するとか・・・。そうしないとよその WebSite にリンクで飛んで行っても、今まで見ていた WebSite の続きなのかどうだかわからなくなってしまって混乱を招くんです。ですからある程度デザインも決めて各人が勝手に雰囲気を変えないようにした方がいいんです。

 でも、標準化されたルールブックは、もしかするとホームページを作ることが楽 しい人にとっては、非常につまらないことになっちゃうかもしれないんです。自分 のセンスではなく、ルールに合わせて作らなきゃならなくなるから。実を言うと私 はそうだったんです。そうだったって言うのは、会社でもよその部署のためのペー ジを作っていたし、WOMでも不特定多数のユーザーのためのホームページを作ってい たつもりでしたから、私個人だったらこうしたいんだけど・・・まあ、こちらの方 がいいだろうなって、私なりに個性を押さえてやってたんです。で、ず〜っとくす ぶっていたので、やっと、自分の個人のホームページを稼働させたときは結構嬉し かった(笑)。そうやって私自身は WebSite を分けています。公共のための WebSite と自分のための WebSite は分けて考えた方がいいと思います。

あきれたページを紹介するリンク集


 たまたまみつけた WebSite なんですけど・・・「あきれたページ」ってみたことあ ります?色々な理由の「呆れたページ」を分類してリンクしている WebSite なんで す。例えば、もう何年も立ち上げっぱなしで更新していないページとか・・・。

 書き方が「呆れる」とか内容が「呆れる」など、おまけにそのページが直ったり すると、直したページというリンク集もあって、それでもまだ、尚、直らないペー ジというのもあるんです。そのまま閉鎖されたものは斜線が引いてあってリンク集 の記録は残るわけ。昔ここにありましたって・・・神々しく。ちょっと恐い物があ るんですけどね。

 それで結構そこのページのカウンターが上がっているんですよ。相当アクセスあ るみたい。本来なら不要なリンク集なんだけどかなりアクセスがあるんで、広告料 とって広告載せているんです。そして、広告料の決め方って言うのが面白くて、自 分のところのアクセスのデータを取っていて、「自分のページには何時間も居座る 人が多い、だから、効果ががありますよ」と言ううたい文句で、そこをクリックし て、広告を出している自分のページに行ったパーセンテージ、アクセス数に応じて おいくらという値段の付け方をしているんだそうです。

 インターネットには色々なページがあって、たまに人のページを見ていると面白 い時もありますし、勉強にもなりますね。
 以上、最近私が感じていること、みなさんに紹介したかったことをお話ししまし た。ではこのあたりで終わりにしたいと思います。お疲れさまでしたぁ。


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3 June 1998 by Honda