オンライン学習会「学童保育」

 

 

7. 公営か民営か

Dさん:

現在英国にいて日本と比較した場合非常にちがうのが、こういった児童福祉関係の機関は確かに助成を税金からもらっているようなのですが、その運営母体はチャリティ(非営利の自主団体)で、基本的な利用の経費は利用者負担という点です。

どうして日本は、こういうサービスが役所によって運営されていて、役所によって管理され ているんでしょう? 英国では、独立運営されている分、他のクラブとの競争原理が働いているようで、それぞれ、プログラムにかなり工夫がみられます。経済的に利用料が支払えな い場合は自治体に申請することにより補助が出るようです。

Bさん:

いきさつはよくわからないんですが、私の住んでいる市みたいに、無料から月 3000 円にな るので大騒ぎしているようでは(?)役所的に牛耳られるのも当然かもしれません。運営も財政もおまかせ。

一方、補助ナシで全面的に市場に任せるというのも、料金が非常に高くなって、必要なのに利用できない人がでるとか、内容をお粗末にしてけちらざるを得なくなったり。まっとうな競争があり中身を工夫する、というのは重要ですね。「役所おまかせ型」の稲城市は、料金も安く希望者は問題なく入れるみたいですが、内容の魅力に欠けるのか(子供によると思うが)通ってくれないといった悩みを聞きます。学童を取り巻く状況が変化して、公からお金が出たり空き教室が利用できるようになったりというのはいちおう進歩だと思いますが、一 気に「おまかせ」にいってしまうところがちょっと。「中身を磨く」状態になるためには「中身が見える」「選べる」+「ニーズに応えないとつぶれる」「ニーズに応えれば成り立つ」 という条件が必要ですね(あ、保育園の話とおなじ)。

しかし、「選べる」といっても、小学校にくっついている学童がそれぞれあるだけという中で、そこ以外を選ぶというのはほとんどありえないかもしれません。

太田:

月並みな説明になってしまいますけれども、市民というか国民の側にそれだけの力量が育っ ていない、ということになるのでしょうか。この間、やっと NPO法案が通って、非営利の市民団体のための法的整備が始まったばかりですしね。まだまだ、「お上に頼んでやってもらう」という意識は強いと思います。私も、役所に学童を「作って貰った」人ですので、あんまり偉そうなことは言えません。

ただ、私は住んでいる学区での学童保育の必要性を訴えるために、自分の足で周囲の学童を回って越境児童数を調査し、学童保育の空白地域であることを示す地図を作成し、父母仲間と共同して小学校と近隣保育園でのアンケート調査を行って、説明資料を作って、市会議員、 校長先生、民生委員の住職さん、役所等を回って説明を続けました(おかげで夏休みが潰れました)。

その甲斐あって、市議会にも取り上げられたのですが、そのとき役人が作った説明資料の中に私の説明資料がそっくり使われていることを発見しました。そのとき「ずるい」とも思ったのですが、役人からすれば、使えるものを使ったという程度のことなのでしょう。私にしても、自分の使った労力がそうやって使われたことに満足するべきなのでしょう(「使います」の一言くらい役人から欲しかったけど)。

何が言いたいかというと、声高な議論だけが市民の政治参加だけじゃなくて、自分の労力を使って仕事をすることの方が重要なんじゃないかと、その頃から漠然と考え始めたということなのです。もっとも、その後、学童でやった仕事といえば夏の親子キャンプの企画と実行、職場の近くの学童父母会の揉め事に首を突っ込んだこと(全市組織への父母会加盟問題でした)、学童がなかなか新設されない地域の父母達から相談を受けたことぐらいなんですけど。日本流サラリーマンの働き方をしていると、そうそう「活動」なんかしてられないわけでして、皆で働き方を見直す必要が、まずあるのかもしれません。

Dさん:

大切なことですよね。耳が痛いです。私もこうやってここでぶちぶちいっていうだけです。。。。

英国でもこれがネックで、結局父母が運営しているクラブは結局、運営の仕事をする人がいないので、とうとう先日、だれかが運営をつがないと現在の運営のメンバーの子供がもうすぐ卒業するのでクラブはなくなるぞ〜という紙がまわってきました。学校のPTAなども役員の選出が日本のように各クラスごとに定員が義務化されていない分、委員や話し合いや行事のボランティア確保に非常に苦労しているようです。結局、みな忙しい、余裕がないなどで、なかなか確保できないようです。

学校の通学路にも道路を渡るところに通学時間ボランティアが立って事故がないように見ていますが、結局ひとつの道路で、それまで担当していたボランティアの方が突然やめられて、次の日から突然交通指導員さんがいなくなり、学校からその旨通知がきました。学童にかかわらず、こういう問題って難しいですね。

Aさん:

いつも考えているのですが、学童だけとか保育園だけとかが変わっても、だめなんですよね。 いろんなところで、少しずつ変わる必要があるんだと思います。働き方を全く変えようとしないうちは、よりよい方法は見えてこないのではないでしょうか?

学童にしろ、保育園にしろ、『親が働きやすいように』預かってくれるところではなく『子供が健全に育つための1つの手法』であるべきで、あくまでも主役は『子供』だと思うんです。 限られた条件(一緒にいてやれる時間が短いなど)の中で、子供にとっては何が最良であるかが、まず第一に考えられるべきことだと思います。

[前のページへ]    [次のページへ]


オンライン学習会のページへ戻る
WOMのホームページへ

Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda