オンライン学習会「保育園」

 

 

3. 父母会

Fさん:

東京都品川区在住です。

品川の保育はここ1年で驚くほど変わりました。元々父母の会のさかんな地域で、職員と父母 との協力でいろいろなものを勝ち取ってきたという歴史があるのですが、最近では組合保母と父母との断絶を目的に、園舎使用を禁止したり、連絡網を廃止するなどの措置が次々に取られ ています。

先日は「芋掘り遠足」がありましたが、例年なら希望する親は有休を取って同伴できたのに、 それもダメになりました(その理由がとってつけたような理由で、「他の子どもがかわいそうだから」だそうです)。今までざっくばらんにいろいろな話をしてくれた保母さんもこのごろは口を閉ざして、ほんとうに子どもを荷物のように預けて引き取って帰るという生活が続いています。なにか打開策はないものか、他の自治体での活動も参考にしながら考えたいと思っています。

普光院:

実は、「保育園を考える親の会」にも、いろいろな人から、この品川区の話が舞い込んできて います。今の時代のこととは思えないような話ばかりで驚いています。

保育園の父母会は、忙しく地域関係が希薄になりがちな親たちが地域関係を結ぶきっかけをつくってくれる貴重な場です。地域の人間関係は子育てにとって必要不可欠なものだというのに、「子育て支援」をうたいながら、一方で父母会を弾圧するなどというのは、まったく矛盾した行為だと思います。

聞いた話では、父母の会・職員労組対当局の対立は根深いもので、泥沼の歴史があるのだということです。しかし、一般の父母にはそんなことは関係なく、父母としてのつながりを求めて 父母会をやろうとしている人には、「なぜこんなに妨害されるのか」と、まったく、不合理な納得のいかない現実となっているようです。

先日、保育団体のシンポジウムに参加したとき、参加者の打ち合わせでも、中央児童福祉審議 会委員・網野武博教授や厚生省保育課の人、その保育団体の役員の方(認可私立園園長)の間で、これから親たちが互いの子育てを支え合う場として、父母会の存在も大切だという話になっていました。もちろんその場では、父母会は保育行政をめぐって政治運動をする団体とは考えられていないようでしたが…。ほんとうに「子どもを荷物のように預けて引き取って帰るという生活」なんて、子どもたちにとっても不幸なことだと思います。

本来、父母会は必要なものですし、きちんと論議すれば区のやり方が不当であることは明白だと思うのですが、きっと本質的な議論ができない状況にあるのでしょうね。保育園のさまざまな問題を解決するためのひとつの方法として、署名、陳情(議員へのアプ ローチ)などがあり、父母会活動が政治的色彩を帯びていることは多いのですが、このような 当局との泥沼を解決するためには、いったん父母会を純粋な父母の集まりとして初期化し、自主的な活動として再構築することも必要なのかもしれないなと思います。

別当:

また父母会活動に関しては、私も普光院さんの案に賛成です。今までの経緯を知らないものが言うのもなんですが、父母会があまりにも保育者の組合活動に同調してしまうと、同じ保護者からも父母会が敬遠されかねないと思うのです。 保育者の労働の利益と保護者の要求とは、必ずしもイコールではありません。一線も超えることなく、交流をはかる必要性を感じます。ただこれは品川区だけではなく、全体として

*父母会をたんなるクレーム集団だと思っている

*口は出すな、でも手は貸せ(運営に異議は申し立てられたくないが、雑用は手伝え)

という園、行政が多すぎるように思います。また保護者の間でも極力園の行事等はない方が負担にならずによい、つまり物のように「預けた・預かりました」だけの関係の方がよいという方が増えているように感じるのですが、皆さんいかがお考えでしょうか?

Eさん:

娘は最初、廃園になるはずの保育園に通っていました。保母さん達も親達も協力して反対運動をしましたが、両者の言い分は微妙に違っていたように思います。それは当然のことで、仕方がないと思うけれど。

ただ子供を「預ける、預かる」という関係になってしまうのでは、契約主義的になりますよね。 子育てを共有しているのですから、お互いが当事者となり、協力することが必要だと思います。そう言葉でいうのは簡単だけど、実際難しいですね。

保育園の「ルール」に対して反対意見を言う、保育園からのクレームに冷静に答える、などなど、実際にでてくる問題はかなりハードです。普段から当事者として関わろうとしていないと、 保育園側に流されてしまったり、ただのわがままな要求を突きつける親になってしまったり、 とバランスをとるのは難しい。それでも、保育園と関わりながら多勢の中で子育てするということは、親にも子にも実り多きことだと思うのです。

 

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Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda