オンライン学習会「保育園」

 

 

6. 保育料(2)

司会:

「逆転現象」の意味がわからなかったのですが、もう一度、教えていただけますか。

別当:

通常、認可保育園の方が自治体からの補助金がおりている分、保育料が安いのが通例なのですが、最近認可園不足で無認可園を「準認可園」のように扱う自治体も増えてきまして(横浜型など)、そこでは0〜2歳では、階層によっては無認可園に預けた方が保育園料が安いという減少が起きていいます。これを「逆転現象」と呼びます。世田谷区を例にとりますと、無認可では一律 40,000 円弱。認可0歳児童では最高で 59,000 円弱となります。補助金のある無認可とそれ以外の無認可を分ける意味で、補助金のある方を「未認可」とも呼びます(地域差があるかな?)。未認可には一定の認定!? 基準があるようです(世田谷区では例えば園児数は 29 名以下等)。

Cさん:

ところで、葛飾区では、「3才未満児」「3才児」「4才児以上」と、保育料のランクが変わるのですが、なんで3才児が別なのでしょう。これも、クラス年齢です。他の地域はどうなのですか?そんなに0才児が別料金って抵抗あるのですか?3才が別料金 のほうがよっぽど????です。いっそクラス毎に料金が違ったっていいのでは?

Bさん:

それではやっぱり民間の方が安いかもしれませんね。近所の横浜型のところは、0歳児で45,000 円です。「クラス毎に料金」これって年齢によって子どもに対する保母さんの割合が決まってるからでは?

Cさん:

サービス内容が自治体によって違うので、ただ、金額だけでうんぬんはいえませんね。保育料について論じるならば、他のからみついてくる複雑な要因を切り離して考えることはできないと思います。どうするのが一番いいのか、どうすれば、基準はどうであれ『公平に』決められるかを考えなければなりません。私は、今の「所得税に応じて」というのが、なんとかならないか?と思っています(保育料に限らず、手当とか)。

理由は

1 一部の人のみごまかせる
2 豊かさの指数にはなりえない

からです。でも、別の方法も考え付かないんだけれど…。

自営業の方について、いろいろ書きましたが、すべての自営業の方がごまかしているとは思いたくありません。でも、保育園のホールなどでその手の話を平然とされると心中は穏やかではありません。 夫婦ともに外勤の人が増え、「自営、同居」では「所得が低い」しか措置の点数を上げる方法はない、という状態であるのも事実です。特に今まではね。実際、所得が多いと入園困難な地域もありますよね。

普光院:

「年齢によって子どもに対する保母さんの割合が決まってるからでは?」そもそも国基準(国が決めている保育料)では、年齢別は「3歳未満児」「3歳以上児」の2 区分しかありません。でも2区分に分けている意味は、やはり保育者の配置が違うので、コス トがまったく違うという点が反映されていると思います。

以前にも書きましたが、市町村は独自に予算をつけて、この国基準の保育料を軽減していますので、市町村が「3歳児は別にしよう」と考えれば、独自に3歳児の保育料を別に設定できるわけです。

国基準では、0歳は3対1、1〜2歳は6対1、3歳は 20 対1、4〜5歳は 30 対1という 配置基準になっています。(0歳は法改正前は6対1で、補助金により3対1にしていたが改 正後正式に乳児保育一般化がうたわれ、配置も3対1となった)

たしか、東京 23 区は3歳児は 15 対1になるように人件費を上乗せしているはずです。3歳児を別建てにしているのは、その分を保育料に反映させようという考え方かもしれません。

0歳児の保育料の別建てが良いか悪いかは、均一化と同様に金額を抜きにして語ることはできません。安ければ、誰も反対しないでしょう。しかし、現行の3歳未満児の保育料は十分に高いと思います。

ここで注意したいのは、「東京」を基準に考えてはいけないということ。東京は全国で最も保育料の安い地域です。0歳児別建てが問題にされたのは「国基準」の話です。国基準では3歳 未満児の保育料の最高額は、なんと 80,000 円です。もちろん所得によって違いますが、現在 私が仕事で扱っているワーキングマザーのアンケートでも地方の 0-1 才児の親からは「保育料が高すぎる」という声が数多く上がっています。はたして0歳児が別建てになった場合、どの程度の額になるのか、経済的にゆとりのある世帯しか入れられないような認可保育園になっては困ります。

Cさん:

子どもが行っている園は、3才は園児 25 人に保母2人、プラスαで、ずいぶん割のいい園なわけですね。でも、保母さんの目が行き届いているとはいえません。保母さんの話ですと、1才児クラスが一番きついそうです。ケンカも多発しますし、話してわかる年齢でもない。好みでない保母さんの言うことなんか聞きやしないし、で「手があと2組と、背中に目がほしい」状態だそうです。

地域によっては「保育園にはお金をかけない」主義のところがあるということですか?保育料は安いにこしたことはないですが「安かろう、悪かろう」では困るなあと思います。 また、保母さんの労働条件(彼女らも働く女性、働く母です)も視野に入れて物を言わなければなあと感じています。

普光院:

「手があと2組と、背中に目がほしい」きっとそうだと思います。たまたま今日、資料を読んでいたら、私立保育園連盟が1歳児の配置基準の改善を求めている文面を見つけ、「やっぱりね」と思ったのでした。

また、自治労のシンポのとき、厚生省の保育課長さんの前で、私が自治労の保母さんに「3歳児の 20 対1はきついのでは?」と発言したところ、保母さんが「そうなんです。2歳児から3歳児への落差が大きすぎます!」と語気を強めていました。

「安かろう、悪かろうでは困る」そこが難しい。今は、値上げはなんでも反対という時代ではないと思います。親も負担できるものは負担していかなくては…。でも大企業に勤める高給世帯にしか利用できない保育園でも困ります。

Eさん:

東京都の公立保育園が0才児 1 人にかけている経費は平均 50 万だそうです。内容はほとんど人件費。なぜかというと、高齢の保母が多いから、ということ(高齢な職員ほど、お給料は高いですよね)。これは、厚生省の椋野さんから聞きました。でも、それだけでもないだろう、 もっと効率的な経営ができるまずだ、というのが椋野さんのご意見でした。こういった背景か ら、「保育園に規制緩和を」、「保育園経営にも競争原理を」というプランができているそうです。

この金額が妥当かどうか、私には判断ができません。他の自治体の保育がお粗末すぎるのか、 東京都の保育が素晴らしすぎるのか。どうなんでしょう、普光院さんのお手元に、判断材料となるようなデータがありますか?

普光院:

0才児の保育経費ではないのですが、全年齢平均での数字は下記のようになっています(古い数字で恐縮です。このデータはここでははじめて掲げると思うのですが…)。

●平成5年度決算による措置費(全年齢平均/1人当たり)

国基準の措置費 上乗せ後(公立) 上乗せ後(民営)
東京区部 59,912 円 189,482 円 131,626 円 ( 9 区平均)
東京都下 55,494 円 144,175 円 73,965 円 ( 14 市平均)
大阪府下 56,985 円 177,451 円 72,753 円 ( 12 市平均)
その他 54,492 円 110,151 円 63,569 円 ( 13 市平均)
  • 「国基準の措置費」(現行では負担金と呼ぶ)とは、保育単価に基づいた運営費(法定では これを国が 1/2 、都道府県が 1/4 、市町村が 1/4 負担)。
  • 「上乗せ後」とは、国の算定した運営費では不足する分について、都道府県や市区町村が上乗せした経費を足した額。実際にかかったコストを表わす。
  • なぜ不足するかというと、保育者の増配置や完全給食の実施など、自治体が国基準以上の保育水準で保育を行っているため。公立においては、自治体職員の給与水準も反映する。

ちなみに、次の数字も参考にしてください。

●平成9年度平均保育単価(1人当たり)

 保育単価とは、国が自ら設けた基準に基づいて保育を行った場合にかかる費用として算定しているもので、これに従って認可保育園(公立・私立)の運営費を国や自治体が負担する。

乳児  151,628 円
1-2 歳 89,469 円
3歳  42,874 円
4-5 歳 36,659 円

*個々の保育単価の計算はとっても複雑な表に基づいており、地域、保育園の規模などによっ て異なっている。

●つまり、国の基準通りに0才児を保育して、国の基準通りの給与基準で保育者を雇っている ケースで、1人当たり約 15-16 万円かかるというわけです。それが東京都では 50 万ともそれ 以上かかっているとも言われているのはなぜ?

それだけ保育者や看護婦などの人員を手厚く配置しているということ、給食も完全給食だったり、内容が充実していたりすること。貸おむつを無料で使わせてくれたり(全部の区ではないが)、などのサービスの違いもあるでしょう。そして、公立で特に大きいのは保育者の方の待遇がいいということ、保育者にベテランが多く、全体にお給与が高くなっているということ、 ちょうど定年退職者がふえている時期で退職金までコストに参入されているということ、などがあるようです。

これをどう判断するかは非常に慎重にしなくてはならないと思います。下手なコスト論で切られてしまうと、子どもの環境が悪化する恐れがあると思います。

Eさん:

私も個人的に調べてみました。すると、国の基準の算定方式では

(日)非常勤やパートの職員の多用
(月)国家公務員の基本給のみ(手当ては加算していない ) で算定している

ということで少なくなっているようです。

東京都区部、横浜市、大宮市など5自治体に問い合わせてみましたが、国基準内で済ませてい るところはありませんでした。「国基準では職員の確保も難しい、国は実情を知って欲しい」 ともらす自治体もありました。

延長保育、特例保育などのメニューが豊富であればまたコストがかかるし、巡回の医師に対す る費用は自治体の持ち出しということでした。この件に付いては、また調べてみたいと思います。

 

別当:

普光院さんが指摘なさっている、0歳児保育の適性保育料に関してなんですが、先日朝日新聞 で母親と厚生省の課長のやりとりを掲載しており、それを読んで課長の言い分に一理あるなという部分がありました。母親の主張は当然「保育料が高すぎる」(でもその方の保育料は 9000円代だったりするのだけれど… で、課長は「でも家で育てていても、最低限おしめやミルクはかかるでしょう? そういう費用まで保育園に入れているからと、国に求められても困る」 いうものでした。

これも自治体格差があるのかもしれませんが、東京 23 区でいえば、保育園に入れていればおむつ代の補助が出ますよね。当然ミルク代も日中はタダ。これを全部家でまかなっていたら、 結構な費用になると思いませんか? 「最低限」(つまり家庭で養育した場合にかかる当然の費用程度)のとただし書きを入れるな らば、「受益者負担」も必要ではないでかと私は感じるのですが。まあこれはなにも0歳に限らず、全園児に言えることですが。ここのあたりはなんとかしないと「保育園に入っている子にばかりお金をかけないで」という 専業家庭の主張もむべなるかなでしょう。

必要があるから保育園を利用するだけであって、特に金銭的な面で「入れ得」になってはいけない。0・1・2才で「入れ得」になることはないでしょうが、3歳以上の場合、最高ランクで¥ 18,000 代くらいなら、可能性はゼロじゃないようにも思うのですが。これを打破するには、やはり「全家庭養育手当支給」か、「希望者保育園全入」しかないと、 どうも結論がここにきてしまう。

司会:

保育料の ( 収入に応じた)負担と、希望者全入に賛成です。

会社員の場合、産休または育休後に職場に戻るためならば、多少保育料が高くても、保育所入所が必須です。そして、そのときは金銭的負担が大きくても、職場を失わなくてすむし、キャリアを継続できるため、高い保育料が、いわば確実な投資になるのです。したがって、一定以上の収入が継続してある会社員のようなケースは保育料が高くてもやむをえないと考えます。

希望者全入についてはぜひ実現してもらいたい。お母さんが外で働いてなくて子どもの世話をしている家庭で、朝は寝坊で夜は遅くまで起きている、食事の時間は不定期、というような話をよく聞きます。また、ついヒステリックにしかってしまってあとで反省、なんて話も。

保育園に入ると、預かってもらっている時間だけでなく、それ以外の時間や週末も、子どものリズムを考えて生活しなくちゃ、という気になりませんか。しつけについてのアドバイスも、 デイリーにしてもらえるし、家庭で何かがうまくいくと、連絡ノートで保母さんにほめてもらえる。うまくいかないと励ましてもらえる。これは、どんな家庭にも有益なことだと思うので す。

 

Eさん:

私も結局そういうことかな、と思います。子供の育つ環境を守りながら、女性も多様な生き方ができるなら配偶者控除を返上してもいいと思います。母親が1人で育児するのは負担が大きすぎるように思います。それに、子供を預けて身軽にな らないと「自分がやりたいこと」も見えてこないのではないでしょうか。地域活動をするため、 勉強をするため、でも保育園に子供を預けられるようになれば・・・と思います。

別当:

公立園にはもっと効率的な経営の仕方があるだろうという指摘をなさった旨、書かれていましたが、半分正解、半分懐疑的といったところが、個人的感想です。以下その理由。

現在のシステムの弊害

  • *私立認可の場合、総予算をもらえば、その振り分けはある程度園長采配にまかされる場合が多い。一方公立認可は予算が細目化されており、園長の自由裁量の割り込む余地がない(おもちゃ一つ買うにも「許認可」らしい)。
  • 保育園に限らず、役所の単年度予算というのは、仕組み上、余剰金は許されない。

合理化の弊害

  • そもそも「保育」というものが合理化に馴染むものではない。通常のビジネスであれば、「合理化」=善といえるが、「保育」・「子どもの育ち」というのは、時間にしても、スペース にしても、金銭的な問題にしても、ある意味「無駄が必要」なものではないだろうか?
  • 人件費を落とすことになった場合、ベテラン保育者の比率が下がらざるえないのでは?

また保護者の中から「男性保育者待望論」が聞かれて久しいが、現在男性保育者が育たない理由のひとつには経済的な問題があることも事実。人件費にメスを振るうのであれば、よほど気を配らなければこれからも男性保育者は育たないだろうし、結局子どもたちにそのしわ寄せがくることにもなりかねない。もしメスを入れるなら「保育園」に特化せず、公務員全体の給与制度(年功序列を排する等)が必要なのでは?

また「規制緩和と監視体制はセットになっている」ということでしたが、「監視体制」の具体案、なにかおっしゃってませんでした? この場合「官」が自前で設立した組織(外郭団体、公益法人、官の人選による委員会)ではだめでしょう。こんなのは民間企業でいえば「御用組合」のようなものですから。私は将来的にはコンサルタント業務も含んだ「監視組織」が、保育の世界でビジネスとして成立してもおかしくないと思っています。

受益者負担になった場合の救済措置についてもしかり。導入する以上、具体的ビジョンを提示してもらわないと。国はかっこいいこといくらでも言えるんですよ。なぜなら多くの場合、実際金を出すのは自治体なんですから。「なんらかの救済措置」では先行き不透明すぎるとは思いませんか。

Eさん:

海外の保育政策について聞く機会がありました。アメリカ人は「カウボーイ意識」といっ て、プライベートな事は行政に頼らず自分で何とかする、という気質が根強いそうで、行政の保育サービスが発達していません。行政による質の高い保育サービスは、「貧困救済政策」に限って提供されているそうなのです。

じゃあ、アメリカの母親は自分で子育てしているの?というと、そうじゃなくて、自分で「保育ママ」等を探して預けて働いているそうです( 1 歳以下の子供を持つ母親の 8 割は保育ママか親戚に子供を預けている ) 。アメリカの夫婦は伝統的に夫が家計を管理するので、妻も働かなくては、自分の自由になるお金がないという、厳しい背景があるらしい。アメリカでは国民気質(カウボーイ意識 ) から「小さい政治」ほど良い、とされており、福祉 の色合いが強い部分にも市場の原理を導入しています。

先の保育もそうです。アメリカの保育施設はほとんどが私立であり、価格もサービスも千差万別です。質の高い施設は乳児で 1 ヶ月 1000 ドルですが、質の低い施設は 250 ドル。質の低い施設では、子供に対する虐待も行われているそうです。時々テレビでやってますよね、隠しカメラで撮影しています、なんてテロップが入っているようなものを。

それに対して、 EU は「子育ても社会でシェアリングしよう」という共通認識のもとで子育てに税金を使い、男女共参社会をすすめています。もちろん、すべてがスウェーデンやノルウェーのようにはいっていないそうですが、あのイギリスさえも、ブレアさんになってから子育てを社会で共有する考えに賛同しているということ です。

それでは、日本はどうでしょう ? 「厚生白書」などをみると確かにシェアリングの精神が感じられます。一方、エンゼルプランでは、アメリカ式の「市場原理の導入」が見て取れます。厚生省のなかでも、このような綱引きが行われているようです。私たちは、これに対する意見を積極的に行政に届けて、親も安心して仕事が出来て、子供ものびのびと育っていけるような環境を手に入れたいものだ、と強く感じました。

別当:

Eさんの指摘なさっていた「アメリカ型」・「EU型」保育システムの件ですが、私は日本においては「EU型」にならざるえないと感じています。以下、その理由です。

  • ベビーシッターといういわば「文化」が育っていない。
  • シッター費用がアメリカと比較にならぬほど割高
  • 男女の賃金格差、「フルタイムパート」という日本独自のシステムに象徴されるように、特に再就職後の女性はなかなか正社員の地位を得られなかったり、仕事内容は正社員と遜色な いのに(時にできるパートの方ができない社員より働いたりもする)賃金が不当に低い現行 の制度では、国の補助なくして保育料をペイできない。
  • アメリカのように女性の社会進出を進んでいない現状では、女性の社会進出を促進させる意味でも、「保育は個人の責任で」とするのは時期尚早である。

といったところでしょうか。皆さんはどう思われますか。

Eさん:

私も、今のままでアメリカ型に移行していったら、保育料が払えなくなって仕事を辞めざるを得なくなる女性が増えると思います(実は私もそうです)。または、しわ寄せが子供にいくか。どちらにせよ、安心して育児も仕事もするためには、かなりの収入がないと、ということになってしまう。ということで、アメリカ型は、アメリカ人の ロバーツ氏も「良くない」とおっしゃっていました。「金銭的な問題にしても、ある意味無駄が必要なものではないだろうか?」その認識がないみたいですよね。厚生省にもキャリアのママがいるらしいけど、その人たちはどう思っているのでしょう。

年功序列の弊害は椋野さんも指摘していました。国基準が、人件費をかなりけちったものだということが分かってきました。子どもの通う無認可保育園の園長も「国基準ではとてもやれない。我々も努力しているが人数がぎりぎりなので、研修に半分しか出られない。」と嘆いていました。国基準の算定方式の見直しが必要であると思います。

「コンサルタント業務も含んだ監視組織が、保育の世界でビジネスとして成立してもおかしくない」 それです!そういうニーズが明らかに存在します。でも、それがビジネスとして成功するためには、「保育の質が高い」イコール「宣伝になる」、「お金になる」というシナリオがなければいけないような。

Mさん:

三鷹市の待機児数は 12 月現在で 350 人を超えました。至上最高の数だそうです。うち0歳児・ 1歳児はともに 100 名の待機。保育を早急にふやさなければならないことは明白ですが、来年 度も増える予定はなし。保育園に入れた人にとって、(特に公立認可は)子育ての環境としてはこれ以上ないという恵まれた状況だと思うのですが、入れない人にとっては、そんな高いコストの保育より、コストが低くても数を増やしてほしいという意見があってももっともでしょ う。この現状を打破するためには、公立保育園もコストを削減する部分も必要になるかもしれない、 と望んではいないのですが、思ってしまいます。また、施設等のハード部分にこだわらず、マンパワーとしての保育を増やすような施策が必要でしょう。まずは、よい保育を「してもらっている」という概念から、「一緒によい保育をつくりだす」という、利用者側の働きかけが必要に思います。とはいえ、保育者を見つけないと保育を増やす話にはならない。何かいい方法はないものでしょうか・・・

 

別当:

施設等のハード部分にこだわらず、マンパワーとしての保育を増やすような施策が必要」確かに「保育は人なり」といいますが、まったくの個人的見解として言わせていただければ、 ハード面での整備というのは、決して無視できるものではないと思っています。

以前ニフティーへ書き込みまれていた経験談でこんなものがありました。その方が利用している園では、いつも子どもたちが暴力を伴うケンカをしている。自分の子どもはおとなしい性格なのでとても心配だ、というのです。でもそのお子さん、すでに4歳児クラスだったので、「4歳といえば分別のつく年頃。そんなにいつもケンカ状態というのは、普通ではない」というコメントがついたんですね。そうしたら、無認可でとにかく部屋が狭く、高いところのおもちゃを取っただけで、降ろした腕のひじが友だちにあたってしまう、そうしたことが常にケンカの火種としてあるというんですね。

皆さんも日常の育児の中でお感じかもしれませんが、雨が続いて外遊びが不足すると、目に見えて子どものフラストレーションが溜まりますよね。そんな時に室内で充分体も動かせないとなれば、子どもたちにとっては、大人が考える以上のストレスとなることでしょう。先日親の会で汐見稔幸先生をお招きしてセミナーを開催したのですが、その席でも、特に0〜1歳児に関しての部屋のレイアウトへの考慮の必要性を説いてらっしゃいました。

世田谷区では「横浜型」に準じて未認可園に対する金銭的補助を行っていますが、私はこうした観点から、「区有地の廉価利用など、ハード面での補助も積極的に行うべき」と主張し、前向きに検討いただいています。

そうした無認可(未認可)ばかりではないと前置きしますが、「親の会」アンケートでも、無認可園に対する保護者の評判は決して悪くない。じゃ認可と無認可なにが違うの? ということになれば、園庭であり、保育の部屋の広さであるといった「ハード面」ということになると思います。コスト面ということになれば、くり返しになるかもしれませんが、保育士に限定されたことではなく、公務員全体の給与体系の見直しが先という気がします。

 

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Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda