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オンライン学習会「介護」
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4. 清水さん 第2回講義
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<高齢者ゴールドプランとは>
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80 年代は、含み資産であるとされた「日本型福祉」で、実は性別役割をこなす専業主婦が一家に一人在宅していて、子育ても介護もまかせておけるだろうという「幻想」が、現実と掛け離れていることの認識ができていく期間だったといえます。 89 年 ゴールドプランと呼ばれた「高齢者保健福祉推進十か年戦略」が策定されました。 細かい説明は省略しますが、今世紀中に「消費税導入の主旨を踏まえ、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進める」(平成元年厚生白書より)事業がはじまったのです。ところが、この家族依存型の政策・市町村に一元化のプランは目標とおりの達成は困難であると見込まれました。 94 年 「高齢者保健福祉推進十か年戦略の見直しについて」(大蔵/厚生/自治大臣合意)が公表されます。それによると、見直しは「ゴールドプランを大幅に上回る公共サービスの基盤整備の必要性・介護対策の緊急性による」(「見直しの基本方向」から)です。この「新ゴールドプラン」は、 95 年から5年間の達成目標ですから、現在進行中です。 問題点は、
ホームヘルパーの実体例 品川区でテスト実施。三交代で二人組みになり 24 時間介護、自分で車を運転し指定の訪問先を回り、常勤務しても、月給が 20 万円前後。(真夜中勤務を含む)。 その一方、ゴールドプランと平行して新たな構想が打ち出されました。国民医療費の急激な増加、年代別の統計では圧倒的に高齢者医療費の増加が明らかとなり、国庫負担削減索のために「介護保険制度」構想が提唱されたのです。 それまで、どのような経緯があったかというと、 これでどんなことが起きたか、看護婦の負担増加、付添婦職場喪失、家族の負担増です。これらはいずれも女性問題(社会問題が女性に現れる)と言えると私は思うのです。それと世界中で、『年令によって差別する診療報酬の仕組みは日本だけ!』です。 94 年 「 21 世紀福祉ビジョン」と国民福祉税構想が報告されましたが、保険でなく消費税案でした。[同年]「老人保健福祉審議会」設立。ここで「保険論」が出ると、 95 年 公費方式から保険方式案に大蔵省が賛成大合唱します。 ここでの問題点は、社会保障の「福祉」と「保険」の違いです。 これまでの公的扶助は「必要度」による措置でした。しかし、保険は「加入し保険料を払った」人が対象です。いま、「高齢女性の貧困」が社会で隠れた問題になっています。これから始まる( 2000 年4月)ので、今後は情報を見逃さないことが大切でしょう。介護保険への(あるべき)態度 情報の公開・公正さ(申請し認定される)・保険料の監視が私たちの課題だと思います。 日本の「家族」は法律上の定義がなく、憲法にも、民法にも「家族」という言葉はありません。夫婦、親、子などは「親族」と表現されています。ですから、「家族」は共同の幻想に支えられているものということもできます。範囲さえも勝手に決めている例があります。 60 代のある女性は「あなたの家族は?」と尋ねられると、ためらわずに別居独立している長男一家(孫も入れて)を入れました。しかしその長男に聞くと「妻と子」が家族だと言います。妻も同じく自分のつくった「家族」が家族だと信じていたりします。このあやふやさとともに、現実の家族が規模も扶養機能も小さくなっていることは、周囲を見回せばわかることです。夫婦の一方が倒れたら、即他方は一人で対処を迫られます。ですから、介護は一人一人の誰にとっても課題なのだということになるのです。ではその介護の問題を大雑把に見ていくことにします。 高齢者の数( 65 歳以上)が人口の7%以上を高齢化社会、 14 %以上を高齢社会といい、 70 年に我が国は高齢化社会に入り、 94 年に高齢社会に仲間入りしました。我が国の特徴は
です。これまで、永年の家制度意識、女性の家庭役割意識などから、娘、嫁、妻たちが引き受けてきました。家族のあらゆる要求にすぐ応える専業主婦が各家族にいて、必要とされるときには面倒をみるという幻想が、介護政策への取り組みを遅らせたのです。職場で昇進を断わった事例を先にみましたが、追い詰められて、「介護退職」をする女性が増えてきました。また、結婚を断念する娘がいます。家族役割の女性だけの負担では、子供の出産は延ばしたり、産まない選択はできますが、家族の高齢化は選べません。 考えを進める材料に、『国民生活基礎調査』(平成8年版、「厚生白書」ぎょうせい 1996 年)厚生省大臣官房統計情報部から、要点を拾ってみます。 ・介護者はだれか 子の配偶者(大半が嫁) 34 . 2% 配偶者 27 . 0% 子 20 . 2% ・このうち、「寝たきりへの介護者の年令」 50歳代 28 . 1% 60歳代 28 . 3% 70歳以上 24 . 2% ・介護労働で 1995 年の自殺者のうち、 65 歳以上が 5500 人いて、原因は病苦となっています。女性が多いのですが、男性でも子の身分の人と、配偶者が含まれています。 家族介護者の負担は、 24 時間・ 365 日・いつまでか不明・一人が引き受けがち(孤立感に陥る)・専門性に欠ける・介護者が世間体を気にするなど、悲惨な状況になりがちです。その悲惨例として、日本労働組合総連合会が 1995 年に調査したものも見てみましょう。 調査「要介護者を抱える家族」( 1994 年 4 月 12 日) 55 歳以上対象、有効解答21 . 5% 1.憎しみを感じたこと ・いつも 1 . 9% ・ときどき 32 . 7% ・あまりない 36 . 5% ・全くない 25 . 6% (嫁の場合 「ある」が 46 . 2%) 2.虐待(世話の放棄、暴力、暴言) ・よくある 2 . 0% ・ときどき 14 . 4% ・あまりない 33 . 2% ・まったくない 47 . 0% これを「家族の扶養力」がまだまだ健在とみるか、どんな虐待もあってはならないとみるかにより、感じる思いはさまざまでしょう。ですが、時代の流れ(民主主義と市場原理)では家族が変わりました。家族に限定されない「介護政策」の方向の強化で、基本的人権である幸福追求権と労働権を守る福祉が文化として定着することが望ましいと私は思います。 介護政策の遅れは、根強い性別分業意識にあります。女性が頑張って犠牲と奉仕に明け暮れ、倒れないと(倒れても)、政治がなかなか動かないのです。政治の場(政策決定権)に女性が少ないこと、女性自身が家庭役割に自分を縛ってしまうこと、みんなやっていること、あるいはやってきたから(変化に気づかない)など、あるでしょう。 #2のキーワード 「女性は家族に限定されない『介護政策』を求める必要と権利がある」 |
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| 塚田:
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清水さん、2回目の講義ありがとうございました。 ここまでの講義で (1)介護保険制定までの歴史について 医療保険制度にも踏み込んで話をしていただきました。介護の財源確保の論議については、介護保険制度が、国会で審議されている間大変マスコミでも問題になりましたので、耳に新しいところだと思います。しかし、皆さんにとっては、なかなか聞き慣れない、難しい用語が多いですよね。この辺については介護保険制度について、改めてゲスト講師の方にお話ししていただく際に、噛み砕いて、お話ししていただきましょう。 また、ホームヘルパーさんの話ですが、この品川区のレポートについては、私はよく知らないのですが、恐らく民間委託型( = 家政婦派遣業者の)ホームヘルパーのケースでしょうか?確かに、 20 万の給料は安いかもしれませんが、ケアを頼む側として、 20 万×2= 40 万 / 月の負担はどこから出ているのか、逆に心配にもなりますよね。 ケアスタッフの問題は、働く側の問題、そしてそれを委託する家族側の問題と、双方からのアプローチを必要とします。また、介護保険制度に移行すると、このような潤沢な支援は逆に受けられなくなる可能性もあるのです。このあたりも医療者側の方からのお話を伺った方がよいようですね。吉岡さん、後ほどよろしくお願いします。 (2)家族問題としての介護 家族の介護の実態その1、とのことなので、次回その2を期待できるのかと思いますが、この問題について、もう少し討論してみましょう。 清水さんの提示していただいた、国民生活基礎調査では、介護者の実に 85.1% が女性になっています。つまり、同居している妻、嫁や娘に依存していたわけです。患者家族の精神的、肉体的ストレス、介護者の患者に対する虐待行為も大変問題になっています。清水さんはカウンセラーなので、そういった相談をうけると思いますが、具体的にはどういう相談が多いのか、ぜひ聞かせてください。 |
| Dさん:
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民間のシルバービジネスについてちょっと質問があります。民間シルバービジネスへの政府の助成金というのはないのでしょうか? 例えば、保育所のように、認可をされれば助成金が下りるという具合に。障害者の作業場も認可されれば、助成金が出ると思いましたが…。 |
| 塚田:
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シルバービジネスといっても、施設の問題、サービスの問題に分かれます。施設については、清水さんが書かれたように、新ゴールドプランの名の基に、全国に老人保健施設の整備が行われ、その費用のうち国が 1/2 、地方自治体が 1/4 補助金を出してきました。またサービスは、民間・公立に問わず、定められたものに対しては、今後は一律同じ料金で提供され、費用は一部保険でまかなわれることになります。 ところで、施設の建設・整備には莫大な金が動きます。その補助金の支給は政府の認可性を取ってきました。この補助金を悪用したのが、以前マスコミで話題になった岡光前厚生省事務次官です。埼玉県と山形県の老人保健施設の建設補助金を自宅マンションの購入資金などの提供と引き替えに、特定業者に補助金の認可の便宜を図っていたのです。 また厚生省のホームページ(引用)をみると、財源難を理由に今後は、ほとんど後発の民間業者には補助金の支給は困難とされています。 介護ビジネスは、この不況の中、需要の増大が見込まれる数少ない産業です。ですから、格好なビジネスチャンスでもあるわけですがお金の動くところには悪い奴も少なくなく利用する我々も、気をつけなければいけませんね。 |
| Dさん:
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施設も、預ける人の年収により値段が変わるという仕組みにはならないのでしょうか?ただし年収が高い人は公立の施設料が高くなり、安い無認可に流れてしまう可能性があるので、採算に乗らない可能性がありますが…。 |
| 塚田:
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施設には、いろいろ細かい基準があります。今後介護保険が導入されるにあたり、その基準が満足していないと保険支払いがなくなります。ですから、無認可の方が利用者にとってはむしろ高くつくかもしれません。一方、保険の支払いがなくなると、施設側も困るわけですから、施設の基準を満たす準備をしています。保育はまだ、福祉の範疇です。 |
| Dさん:
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なるほど、健康な児童を預かる施設より、医療設備を必要とする介護施設の方が、費用がかかりますね。 |
| 塚田:
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清水さんが、再三強調されている、介護が福祉から切り離されるということですが、保険は原則として、保険料を支払った者にだけ支給されるので保険料を支払えない場合、介護をうけられないのではないかと危惧されているのでしょうか?(健康保険料を納めていないと、医療がうけられないのと同じです。)今回の介護保険では、 65歳以上の高齢者は年金から、天引きになります。保険料の滞納より、生活費の減少が懸念されます。 |
| Dさん:
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施設にはどんな種類があるのでしょうか?ざっと考え付くところでは、闘病施設(サナトリウム?)、ホスピス(死を待つのみ)、老人ホーム(映画「コクーン」の老人達のようにまだまだ元気)、痴呆の老人ばかりを集めた施設もあるのでしょうか? |
| 塚田:
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残念でした。はずれです。上記施設のうち上の2つはまた別の範疇です。 ざっと、書き連ねるだけでも特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、(ケア付き)有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム( A 型、 B 型)、有料老人ホーム、老人保健施設、老人病棟 ( 特別許可病棟 ) 、療養型病床群、老人デイサービスセンター、在宅介護支援センター、等々。 いつ何時どの施設を使えばよいのか、疑問でしょ。私も最近まで、把握していませんでした。詳しくは後ほど、ゲストの方に説明していただきましょう。 |
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Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda