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オンライン学習会「介護」
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8. 塚田さん 第2回講義
| <ボケと寝たきり予防> |
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”ボケ”や " 寝たきり " 予防のための講義を続けたいと思います。いろいろ気になる質問がありましたら、可能な限り随時お答えします。よろしくお願いします。 1. 安静はボケの進む要因です。けがや病気などで長期間のベッド上の生活はは、一気に痴呆が進みます。心も体も常に刺激を受けていないと、関節はがちがちにこわばり、筋肉はそげ落ちるので、どんどん体は動かなくなり、痴呆が進みます。一般的にはこういう理由のため、高齢者の方は早期離床(できるだけ、ベッド上で安静にするのではなく体を動かす)、早期退院を心がけます。概ね、入院して進んだ場合のボケの症状は、新たな脳そのものの障害が起きない限り、退院して刺激を受けると戻ってくることが多いです。 2.麻酔によって痴呆が進むことはありません。ただし手術直後に、手術のストレスや、麻酔薬から半覚醒の状態で精神の抑制が取れて、暴れることがあります。いわゆる ICU 症候群というものです。これも一般的には、完全に麻酔薬がさめて、手術直後の特殊な集中管理下から一般病棟に戻ったり、退院したりすると良くなります。また、1にも書きましたが、手術の後に安静を余儀なくされて、痴呆が進行することは少なくありません。よく、一般に「麻酔の後遺症」による痴呆を心配する傾向がありますが、術後の痴呆は、上記のような複数の要因によって起きるようです。 3.ということもあり、高齢者の方の治療方針を決める際には、骨折などのように治療をしない限り活動が制限され、寝たきりの原因となることが予想される場合、痴呆ボケの進行を予防するため、早期離床を目的に積極的に手術を行います。 4.ボケが進むというわけではありませんが、例えば高血圧のお薬の中には、やる気を失うなど意欲障害を起こすものもありますし、睡眠薬の中には夜間に徘徊したり、せん妄を起こすなどの副作用があることもあります。おかしいなと思ったら、念のためかかりつけの医師に、家族が直接相談したほうがよいですね。薬が原因ではなく、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫(頭蓋骨の中に大きな血の固まりができる病気)など、別の病気も隠れていることもあります。
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Dさん:
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現在、介護を要する人で、<ボケ>の症状の人と、<寝たきり>の症状の人のはどのくらいなのでしょうか? |
塚田:
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これは前回の講義でお話ししましたよね。訪問看護ステーションを利用している介護患者の 49.1 %に痴呆があり、寝たきり者は 59.5 %、寝たきりに準ずるが 27.7 %と、 87.2 %もの人が寝たきりに近い状態となっています。しかも、痴呆のある寝たきり者は 34.5% で、痴呆のない寝たきり者 25% より多い結果となっています。痴呆のある人とない人では、どちらが介護しやすいかは判りますよね。 |
Dさん:
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先日、読売新聞(だったと思う)に、市川房枝氏の娘さんの「私の介護録」というエッセーがありました。その中で房枝さんが骨折した際に、手術をし、2度目の手術後に、短期間に2度も麻酔をしたせいか、ボケが始まったようだと書かれてありました。病気や、その治療薬をきっかけとしてボケることがあるのでしょうか。他に、その市川房枝氏の娘さんのエッセーで興味深かったのは、彼女は1度目の入院介護で疲れ果てたため、2度目の時は家政婦を雇ったり、介護人の手配をしたりという、「介護をプロデュースする」方に回ったそうです。Hさんの、「介護休暇は介護をするための休暇ではなく、介護をするためにいろいろな手配をする休暇」という発言に通ずるものがありますね。 |
塚田:
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確かに、これまでは家族が奔走して、施設や人の手配をしなければならず大変でした。しかし、今回、介護保険で新しい職種ができました。「ケアマネージャー」と言って、皆さんがおっしゃる、介護をプロデュースする職業です。家族の希望に応じて、保険で決められた金額の範疇でどういうケアサービスを利用するかをマネージメントすることが仕事です。詳しい話は、延び延びにさせて申しわけありませんが、介護保険の項でまとめてお話ししていただきます。 |
Gさん:
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介護に興味がある・経験がある 20 代というのはやはり珍しい存在のようで、最近すこし「孫の介護」でお話をさせていただく機会がありました。何事にも家族全員を巻き込むのが大得意な母のおかげで、わが家の介護はぼけた祖母を、大人5人が入れ替わり立ち替わりで、約5年行いました。この経験が影響したのか、女性学の修士論文は日本の老人政策は、在宅介護と言う名の労働力搾取だ!というような内容で書きました。 ところで、「ボケが進むというわけではありませんが、例えば高血圧のお薬の中には、やる気を失うなど意欲障害を起こすものもあります。」と塚田さんはおっしゃっています。痴呆の祖母が毎日通った特老(彼女はデイケア)では、あまり大きい声では言えないものの、入居者に意識的に上記のような高血圧のお薬を与えているようです(職員さんからの内緒話で知ったんですけど)。 勿論、ホームに入居する老人に高血圧の方が多いのは事実なのですが、たくさんの老人を一度に介護する側からすれば、「頭のクリアな寝たきり」よりも「惚けた寝たきり」の方が文句も問題も少なく、機械的に「介護作業」ができるということのようです。毎日祖母と通って、入居時には元気だったおばあちゃん達が、2・3カ月後にはずいぶんぼけてうろうろしている姿を見たら、やっぱり間違ってるよ、と思わずにはいられませんでした。でもこんな情報は一般市民には届かないから、老人ホームでぼけるのも当たり前のように受け取るのかもしれません。 こんな特老だったら行かなければいい、と言えないのが補助金をもらいながらデイケアを受けている身のつらさ。地方自治体が介護政策として提供するものはどうしても選択肢が限られるので、仕方なく受け入れていたのが現状でした。 まだまだ公的な支援は介護する側にもされる側にも十分ではないのでしょうね。もっと要介護者が増えたら、サービスも選択ができるぐらい充実すると期待しているのですが、いつのことになるのやら。やはりここでもキーワードになるのは「情報公開」なのかもしれませんね。(老後はスイスの修道院内老人ホーム入居希望) |
Fさん:
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私の父は約 17 年間精神病院に入院していましたが今年の5月に退院し、特別養護老人ホームに入所しました。特養ホーム入所時にホームの看護婦さんから、「病院では高血圧の薬を飲んでいたようですが、高血圧の疾患はあったのですか?」と質問されて始めて、薬の投与の事実を知りました。精神病院からの説明では、そのようなことは聞かされていませんでした。Gさんのお話だけで判断するのはかなり乱暴なことかもしれませんが、もしかしたら、父をおとなしくさせる目的の投与だったのかもしれませんね。 ホーム入所時、介護スタッフの方々は、父を今後は拘束しませんと言っていました。それはそれで喜ばしいことだとは思いましたが、本当にそれで父を介護できるのかという大きな疑問が残りました。「とりあえずは、ホームのスタッフ方にお任せするしかないか。」と、家族とは話合いました。 案の定、ホームから電話が入りました。父が介護者にかみついたり、勝手にベットから抜け出て、這いずり回る等をするので、もてあましてしまったようです。ホーム側は、父に薬を投与して落ち着かせても構わないか?と言ってきましたので、「お願いします。」と答えました。 精神病院にいた頃に比べると、髭は伸び放題だし、頭髪もぼさぼさです。また薬のせいか、父に話し掛けても反応がありません。明らかに 介護が行き届いていないことが分かります。精神病院のケースワーカーの方からは、「病院は治療するところであり、特養ホームは生活の場です。父にとっては、生活の場である特養ホームで暮らす方が幸せです。」と聞かされていましたが、本当に特養ホームへ入所さたことが正解だっかのかどうか考えてしまいました。また費用の件についても、聞いてもらいたいことがあります。 |
塚田:
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Fさん、Gさんには誤解を招いてしまったようですね。私の意図したお薬は、α遮断薬やβ遮断薬という種類の降圧薬で、自律神経に働くお薬です。このうちの一部に、中枢神経に作用して悪夢、不眠、抑鬱、性器能障害或いはうつ病様の症状などの副作用を招くことがありますが、決して痴呆を起こすわけではありません。降圧薬としても比較的作用が強く、高齢者に痴呆を招くことを目的につまり頻度の低い副作用をねらって投与するには、あまりにも主作用(=降圧や心機能抑制、心拍抑制)が強いお薬です。ですから、恐らく、Gさんが聞いたお薬というのは、やはり直接精神機能に働く向精神薬や安定剤ではないかと思います。 |
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Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda