オンライン学習会「SOHO」

 

 

17. 在宅ワークの抱える課題の解決に向かって

中原:

解決については、様々なレベルでの努力が必要となります。今回は、どのレベルでの解決が可能な課題であるのか取り上げてみたいと思います。

1.個人の努力で解決可能な課題

(1)プロ意識の醸成

(2)自分で判断・行動する必要性の自覚

(3)仕事の確保、営業努力

(4)専門能力向上

(5)ビジネスマインドの醸成と経営能力の向上

(6)自己管理・健康管理

(7)リスクの担保

(8)情報の収集

(9)家族の理解、協力

(10)投資と収入のアンバランスの是正

2.グループワークによって解決可能な課題

(1)仕事の確保、営業努力

(2)専門能力向上

(3)リスクの担保

(4)専門の周囲の能力(営業、税務、プロジェクト管理)補完

(5)得意分野への特化

参考のため、前述の「チームSOHOのすすめ」で列挙されていたメリットを以下に示します。

・一人では不可能な大きな仕事も、協力しあってこなせる。

・すべてのやりとりが記録されるため、進行上のミスが少ない。

・複数の目が入るため、ケアレスミス、判断ミスが少ない。

・仕事内容に応じて、得意とするメンバーでチームを構成できる。

・すべてネット上で行うため、設備維持や交通費などの経費が少ない。

・スタッフが孤独感や不安感を感じずに作業ができる。

・スタッフの急なトラブルにも、フォローしあえる。

・地方在住でもスタッフとして参加できる。

・経験/実力により、報酬が変わるためやりがいがある。

以上の点について「解決案は?」と聞かれそうですが、週報や過去ログにヒントがありますので、各人で考えてみてください。見逃されがちなのが地方自治体の各種サービスです。中小企業指導センター、女性協会、産業局等、相談窓口を充分に活用してください。ただし、縦割りなので、必ず複数の窓口にアクセスされることをお勧め致します。

3.個人・グループワークでは解決できない課題

これ以外の問題、例えば社会環境、法制度等に関わるものは1.2.だけでは、困難と思われます。

(1)実態から乖離したマスコミ報道是正

(2)在宅ワーカーを対象としたビジネスの横行

(3)法体制・社会保障の不備の解消、労災、社会保険・年金制度の整備

(4)ハード偏重、階層別施策の行政の対応の変更

(5)法人・大企業・中央偏重の社会風土の解消

(6)金融システムの担保主義からの転換、信用供与、資本市場の整備

(7)業界による縦割り、慣行の是正

(8)事業主・労働者の両側面を有する在宅ワーカーのための市場整備

(9)家族、社会、企業による在宅という就労形態に対する理解・認知

(10)多様なライフスタイルを許容する社会風土

(11)マニュアル化・他人への依存を強める教育制度の変更

(12)プロセスよりも成果を重視する評価制度への転換

(13)昼間だけでも子供を預ける保育園・託児所の確保

(14)情報通信機器、通信のコスト低減と操作性向上

これらは個人レベルで、どうこうできる問題ではないと思いますが、皆様如何御考えでしょうか。特に(1)(2)は緊急の課題であり、(3)〜(8)の課題にしても、直面されておられる方は多いかと存じます。

また、1.2.で示した以下の課題についても

(1)能力開発システムの整備

(2)孤立感等に対するメンタル面のサポート

(3)自己管理ノウハウの開発

(4)情報収集

(5)各種リスクの担保

(6)報酬・単価の維持

(7)報酬の未払いや、納入後の価格変更

これらの点について、情報ステーションや駆け込み寺的な組織、行政のバックアップ等あれば、より効率的な解決が図れることは言うまでもありません。

行政側にしても、何処をヒアリングすれば効果的な施策を立案できるのかわからないという問題があるのが現状です。また、業種別の協会(多くは社団法人)はあるものの、「在宅ワーカー」だけにサービスするのは困難であろうかと存じます。むしろ、各人が、それぞれのステージで努力を積み重ねていくことでやがて大きな声となり、状況が改善されていくことを期待しております。

世の中の流れは明らかにプラスに働いています。それを加速できるかどうかは、「在宅ワーカー」自身、また、周囲にいる私のような立場の人間が何を考え、どう行動するかにかかっていると思います。

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Last updated on 17 September 2001 by Michiko Takeda