「戸籍」についてのトーク



1.「戸籍」ってなーに?


Sさん>
急な出張だというのに、パスポートが切れていました。
あちこち走り回って書類を集めて、結局、発行してもらえる運びになりましたけれど...
ここで思ったのは、「なぜ戸籍抄本が必要なの?」ということです。
戸籍って、機能的には、もう意味を成さないものだとよく聞きます。
もともと人は生まれた場所に一生いる、
という前提のもとに作られたものなのでしょうか?
そう言えば就職活動のときに、会社側が
「戸籍抄本を提出していただきますが、これは決して本籍地によって皆さんを差別しようというような目的ではなく...」 なんて説明していたなあ...。
このけったいなものは一体、何の目的で今だに生きつづけているのでしょう?
どなたか教えてください。

Nさん>
そうそう、パスポートの戸籍なんだけど、
たしか住民票は外国人でも取れるんだけど、 戸籍って素性が明らかじゃないと、かなりむずかしかったように思います。
パスポートを不正に申請するやつって、結構多いらしくて そういう意味ではわざと「面倒くさく」しているらしい。
でも、その戸籍というのも一度とってしまうと結構いいかげんで、 出身地を表すと誤解している人がたくさんいるらしいけど、 日本のどこにあってもいいから、皇居にしてる人もいるらしいですよ。
私は引越をすると、住民票と一緒に変更して、 いつも住んでいるところと戸籍は同じにしています。 何かで必要になったときに、近くの役所に行けるのが便利ですから。 あたしのつれあいもそーいうの、こだわらない人だから楽。
友人なんか旦那のお父さんの出生地で、彼が、 「変更すると親子の縁が切れるみたいで変更したがらない」 とか言っていて、私からみたらあほくさいかぎりです。 必要になるたびに実家にお願いして郵送してもらうらしい。

Zさん>
すっきり説明できそうにないので、まずは参考書を紹介します。

私も戸籍はなくなればいいと思います。 今回(96年6月)の民法改正案では、別姓選択制になった場合の戸籍について、 結局、同戸籍と決まったようですが、 私はこの際、個人籍にして、戸籍解体にちかづけばいいのに、と思っていました。
戸籍がいいと言われる面は、 相続のための縁戚関係がたどりやすい、ということです。 遺言があれば問題はありません。
戸籍は唯一、日本人しか持っていないので、 国籍を証明するものとして安直に使われているのだと思います。
戸籍は身分登録のための書類とでも言うべきものでしょうか。 明治時代までは確かに身分というものが存在しましたが、今はこの意味はありませんね。 「天皇の下に国民が氏を与えられ、単一民族として集結している」という 幻想を保つためのしくみであるとも言われています。 だから天皇家は戸籍がないです。 身分欄こそなくなりましたが、他にもいろいろな差別表示があります。

  1. 本籍地による差別
    しかし出身地を特定することで、例えば部落差別の元となったりしています。 これも本籍地をどんどん変える(転籍)すれば、わからなくなるわけですが、 転籍歴が多いと、逆に悪いことをしたのでは?と疑う人もいるらしいです。 実際、犯罪歴が戸籍に記録されます。 (もといっ!犯罪歴が戸籍に記載されたのは、昔の話でした。  犯罪歴は戸籍とは別の「犯歴簿」に記録され、役所の戸籍係で保管されています。) また結婚するときに、新たに本籍地を定められるわけですが、 夫の本籍地にしようとこだわる人がいるのは、 先祖代々の地という「家意識」と戸籍が密接な関係であることがわかります。

  2. 続柄・父母の氏名欄による差別
    嫡出子は「長女、長男」、非嫡出子は「女、男」などと記載に差がある。 父母の氏名欄の記載が、嫡出か認知かなどによって異なる。 (嫡出の場合、母の欄には氏がない!!)
    また20才になれば、自分だけの意志で 親の戸籍から独立=「分籍」できるのですが、 これも勘当される、などと否定的に捉えられることがありがちです。

というわけで、 みなさん、どんどん転籍、分籍をして、戸籍を有名無実状態にしちゃいましょう!

2.「父母欄」の暗号を知ってる?


Nさん>
えっ、嫡出の場合、母の欄には氏がないのー?
なんでお母さんの氏がつかないのかなぁ?

Zさん>
ちなみに父母欄には4パターンあります。(1)と(4)には驚きました。

  1. 両親が結婚しているとき
    父は姓名、母は名のみ。
  2. 父が認知したとき、または離婚したとき 
    父母とも姓名(ただし別姓)
  3. 両親が未婚で、認知なし
    母のみ姓名(父欄は空白)
  4. 婚氏をなのったまま、両親が離婚したとき
    父母とも姓名(同姓だけど)

Nさん>
戸籍に関しては、国民が現状を知らされなさすぎで、思い込みによるものが とても多い気がします。

Zさん>
本当に!目に見えぬ呪縛なのです。 転籍も分籍もやってしまえば、なんでもないのですが。。。


3.「分籍」って、たいへん?


Tさん>
最後に里帰りした時に分籍手続きをした私(だから今は個人籍状態(^^))

Zさん>
じつは私も「ひとりもの」です。そのときの窓口対応も、今度書きますね。
Tさんは、すんなりできました?

Tさん>
あたしの時は特に面倒はありませんでした。ただ、窓口の方に
「一度分籍すると、元にもどせなくなりますけどいいですか?」
と、まるで"DEL *.*"した時のようなことを聞かれて、 あたしはすかさず"y" を押したのでした(笑)。
 ちなみにあたしの父も(おそらく継母も実母も)「戸籍を移すなんてとんでもない。 うしろ暗い人間のやることだ」と思っている人なのですが、何も言ってこないところを 見ると、まだあたしの戸籍は父の元にあると思っているのでしょうね。

Zさん>
やっぱり、きかれましたか?
これでびびっちゃう人もいるんですよねえ。
「婚姻届の時はそんなこと聞かないのに、変!」と、知人は憤慨しておりました。

Nさん>
これって言い方にもよるかもしれない。
あとから
「やっぱり元にもどしたいんですけどー」
とか言ってきたりして
「できません」
と答えたら
「えー、だったら分籍するとき言ってくれればいーじゃん」
と文句言う人いそうだから、親切で言う窓口の方もいるんじゃないかなぁ。 婚姻届の時は逆にそんなこと言ったら、かえって失礼な感じがするし。

Zさん>
私もそう思います。
でも、その人自身の考えなのか、単に業務が増えるのを嫌ってか、
「どうせ結婚したら、別になるんだから、意味ないですよ」
とまで言う窓口の人に出くわしたときは、おせっかいなことと思いました。
#ちなみに分籍は、配偶者がいるとできません。離婚になります。

Nさん>
窓口に「理由を問わず、一度分籍すると戻れません」 と大きく書いておいてくれれば、お互いに気をつかわずいいのかもね。

Zさん>
いい考えですね。 そもそも「分籍」という手続きがあまり知られていませんし。

Nさん>
でも、なんで一度分籍すると戻れないの?

Kさん>
民法をよく読みましょう。(法の不知を許さずの原則)

Zさん>
「女性と戸籍」榊原富士子著によると
「根拠はよくわからないが、現戸籍法は家の廃止に伴い、旧戸籍法を必要最小限 急いで修正しただけなので、分家を分籍としただけだろう。」 とあり、昔の「分家」は戸主権を分立することでした。
 恐らく、昔は「分家」も「勘当」も元戸籍には戻れなかったのでしょう。 でも、それがなぜかということまでは、私はわかりません。>どなたか、知りません?
もうちょっと、歴史の勉強が必要です。
#「勘当」はご存じの通り、親が子を絶縁して、家督相続権を剥奪することです。 (鎌倉時代から江戸時代にあったもので、現存しない手続きだそうです)


4.結婚なのに、なんで「入籍」っていうの?


Tさん>
ところで、この「入籍」って言うとき、どういう作業を思い浮かべます? 夫の籍に妻の名を入れるってイメージがありません? 本当は真っ白の新戸籍に、2人を登録することなんだけど。

Xさん>
そう、そう!そうなのですよ! 私は3カ月前に、結婚…いわゆる「入籍」というものを行ったのですが、 この言葉に、どうも釈然としない物を感じていたのです。 結婚は「入籍」じゃないのに、なんで「入籍」という言葉を使うんだろう? これは、新しい言葉を作りましょう(^^;)。 だって、誤解してしまいそうだもの!

Zさん>
これって、マスコミ効果が大な気がしますね。 スポーツ新聞には連日、踊ってる!やめてほしいんだけどなあ。 一般的にも、いつ結婚するかを問う場合、 結婚式をしない人は「入籍はいつ?」ときかれますねえ。 私は答えに窮しました、。。

Lさん>
きいてどうするんでしょうねえ? 毎年、その日に記念品でもくれるんならまだしも (ほんとにこいつら結婚したんかいな!) ってとこかなあ。

Lさん>
いわゆる「入籍」って「婚姻届を出す」ってことじゃないの? 私の場合、「入籍」って言わず、「婚姻届を出す」って言葉を みんなして使っていたので…
私は内輪の人前式でやったもので、みんなの前で婚姻届にサインして 後日役所へ持っていきました。 「入籍」じゃなくて、新しい言葉というと、戸籍の新規作成でしょうか? ^_^;) 作籍?立籍?
普通に「婚姻届を出す」と、お互い親の籍からぬけて 新たに二人の籍になるんですよねえ? だから、実際には事務処理の観点からみても「入籍」ではないはず。 今は、名前をどちらかに統一しなければならないから どっちにしたとしても、もう片方は「入籍」したようなイメージを 抱くわけよね。

Zさん>
いや、手続き上も見方によっては「入籍」と言えるのです。 すなわち、名前を統一する=戸籍筆頭者を選ぶ、ということです。 で、筆頭者の新戸籍が編成され、その配偶者欄に「入籍」するということです。

Lさん>
げげげ。 時間差攻撃… 「入籍」って相手の親の籍にはいるようなイメージがありますよね。 そんなこと実際にありえるのかしら。

Kさん>
旧民法では戸籍の筆頭者を戸主といい、代々長男が引き継いだので、 嫁はまさしく「入籍」だったというわけです。

Zさん>
そうですね。 旧民法では一戸主の下に、息子の妻や孫や姪など、ぞろぞろ何代も入っていたそうです。 新民法になるときに、3世代同戸籍が認められなくなりました。 だから、今はありえません。 ちなみに未婚で出産した場合も、出生届を出すと自動的に親の戸籍から出てしまいます。 ついでに言うと、離婚するとその戸籍から配偶者を「除籍」します。 まるで「家」に出入りしてるみたいでしょ?

Jさん>
私も結婚式は人前で婚姻届にサインしました。 後日届けを提出しに行ったのですが、 時間外だったため、市役所のお向かいにある消防署に提出しました。 受付の方はいたって事務的で、 「二人の門出だ!」と意気込んでいた私たちは なんとなく拍子抜けしてしまいました。 そのときにつくづく思ったのですが、 籍に入れる、入れないなんて、二人の生活にはほんの些細なことで、 大事なのは新しい生活をどうイメージするかなんだなってことです。


5.「筆頭者」って偉そうじゃない?

Oさん>
男の人は戸籍の筆頭者になりたがるものですよね。多くの場合・・・
それって、妻は自分の所有物みたいに思っているんじゃないか という気がしてしまいます。

Zさん>
「結婚したと実感するのは?」
という質問に、
「彼女が僕の姓で、電話に出るとき」
と答える人がいますよね(あの、将棋の羽生さんも)。
男の人がそう言っているのしか、聞いたことがないけど、 なんとなく「自分のものにした嬉しさ」みたいに聞こえて、気持ち悪いです。
(こんな私も小学生の頃は、好きな人の姓に自分の名前が合うか、 考えたりしてました。。。)


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Last Updated 31 Jun. 1996 by Maki Akahori