レズビアン情報誌〜Anise(アニース)〜編集部訪問
わたしの感じたこと2


私は『フリーネ』の存在も知ることなく、取材に同行しました。
これは、私がレズビアン・コミュニティに初めて触れた体験記です。

●ホモセクシュアルとレズビアンをとりまく大きなちがい

 私は、よく知らないながらも、自分では同性愛者のことを理解している つもりでした。
 だから、ホモセクシュアルとレズビアンは、とりまく世界はあまり 大差ないと思っていたので、そのギャップにほんとうに驚きました。

 正確にはわかりませんが、圧倒的に数のうえではホモセクシュアルの人の 方が多いそうです。一般に女性は、性に対して受け身と言われているため、 攻撃的と言われている男性に比べて、自分のセクシュアリティについて 気がつきにくいそうです。もちろん、その人をとりまく時代や個人の環境など によりますが、なにかへんだなと思っていても、一生を終える可能性が高い ということです。

   いまだに世の中の富や権力を握っているのは男性です。 マスコミ界も例外にあらず、出版社のオーナーはもちろん男性が多く、ホモ セクシュアルの商業誌は日本でも7〜8種出版され、広く読者層を開拓して います。さらに雑誌から得た情報をもとに、男性オーナーの新宿2丁目のお店 で新しい出会いをはぐくみ、男性たちのコミュ二ティはもっともっと広がって ゆくのです。資本主義の道理にかない、2丁目のお店も繁盛して、再び富は男性 たちのもとへと流れてゆくのです。

   一方、ミニコミ誌はいくつかありますが、レズビアンの商業誌は 『アニース』が日本で唯一です。
 多くの女性たちが愛読しているメジャーな雑誌さえも、出版社の幹部はおろか、 編集者も男性っていうのはよくある話しですから、『アニース』を出版すること がいかにたいへんか、素人が考えてもわかります。マスコミを支配している かしていないかで、単純に読者の数だけでなく、社会の認知度を左右します から、大きな問題です。ちなみにレズビアンバーは、日本に20件ぐらいしか ないそうです。新宿2丁目の盛況ぶりに比べて、ずいぶん少ないですよね。

   さらに、男性同志のカップルというのは、結婚制度の枠からはみ出て いても、経済的な心配が少なく、愛だけを見つめて生きていける可能性は 大です。
 女性同志だとそうはいきません。なんたって女性の賃金は日本は半分なの ですから!だからといって、彼女たちに男性に頼るという選択肢はありません。 精神面だけでなく、社会制度の苦しいところに追い込まれているのです。

   私たち、特にヘテロな人達の多くは、このような問題を見過ごしがちです。  一生懸命生きている人々を知ることは、たとえ氷山の一角であっても、
社会を知るうえで、意義のあることだと思います。

   この年齢まで同性愛について触れる機会もなく、自分がヘテロであると、 当然のように無意識のまま信じ込んでいた、もうひとりの自分と向かい合い、 生きていくことを考えさせられた一日でした。

                                        以上


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Last Updated 19 Apr. 1996 by Seiko Fujii