世界のワーキングウーマン事情
〜香港編

  1. 職場事情
    1. 男女平等
    2. キャリア志向
    3. 香港女性はたくましい!
    4. 分業主義
  2. 家事のアウトソーシング事情
    1. Let's 外食
    2. アマ(メイド)
  3. 香港の法制度
    1. 労働基準法
    2. 産休
    3. 退職金
    4. 違約金
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1.職場事情

1-1. 男女平等

香港の女性の社会進出は、欧米よりも盛んなくらいで重要なポジションに女性が採用されているといったことも珍しくありません。基本的に、同一の職種は同一の給与といった考えが浸透しているため、男女の差はほとんどないといって良いかもしれません。(しかも、女性は通常業務の他にお茶汲みコピーも、といったこともありません。)

1-2.キャリア志向

一般に香港の定職率は低く2、3年で転職すると言われています。
また、定時でさっさと帰る人もいる反面、夜遅くまで働いている人も多いようです。1日も早くキャリアを身につけて、条件の良いところに転職するとか、夜間学校に通って資格取得に励む人も少なくないようです。香港は完璧な学歴社会で(日本のような学校歴ではない)、夜学でMBAを取得後いきなり給与が2倍3倍になるといったこともあるようです。そこまでするのもすべてお金のためで、1ドルでも給料が高い職場があれば翌日転職するとまで言われています。
私の友人も3ヶ月でアシスタントが5人変わったと言ってました。中には、初出勤したその日から職場で求人情報誌をめくっているという強者もいたそうで、そうなるとキャリアも何もないような気がしますが、××の仕事をしたことがある、というのをウリにして次々と転職します。

1-3.たくましい香港女性

ちょうど仕事で関わった同年代の香港人の女性が最近出産して産休から職場復帰したところなので、どんな風に両立してるのかなぁと思っていたところ、産休のための引き継ぎを夜11時までやって帰宅したとたんに産気付き、4時間後の2時に出産したということ。さすがに彼女の上司もすごいとメールしてきましたが、その後たった10週間で引越までして職場に戻ったようです。 ちなみにこの方、妊娠6箇月くらいのときに日本に出張していて妊娠中に海外出張っていうのは勇気がいるなぁとびっくりしました。忙しい部署で責任のあるポジションなので大変だろうに、たくましいなーと感心してしまいた。
香港の女性はホントにたくましく、産後2週間で職場に復帰する人もいるほどです。 計画出産のため帝王切開も多く、予定された帝王切開ならば緊急の帝王切開よりも料金が安いせいか、ある有名病院では妊婦の5割は帝王切開で出産すると言われています。また、陣痛促進剤や局所麻酔等も一般的に行われているので体力の消耗も少なく、比較的すぐに動けるようになります。

1-4.分業主義

少し大きな会社になると、お茶汲みおばさんというのが存在します。午前10時と午後3時に各自の嗜好にあわせた飲み物を配ってくれるのです。
その他には、コピーを取ったり新聞や書籍を整理したりするだけをする人などもいます。オフィスサービスでは、掃除婦はもちろん電話機を掃除するだけのおばさんやパソコンを掃除するだけのお兄さん等と分業されています。
お陰で主幹の社員(営業職、研究職、技術職、管理職等)は本来の仕事に従事できるので、非常に効率的に仕事を進められるのです。
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2.家事のアウトソーシング

2-1.Let's 外食

香港では安い「定食屋」や「麺屋」が街のいたるところにあるので、気軽に外食出来ます。ちょっとした中華料理屋でも円卓を囲んでがやがや食事をしているので、子供や赤ちゃん連れでもいやがられることも無く安心して家族で食事が出来るのです。しかも、家で食事を作るよりも安上がりで手間暇もかからない。
香港の人は、あまりお酒を飲むという習慣がないので、旦那さんだけ「赤提灯」で毎晩帰りが遅いということも無いようです。つまるところ、子供がいてもいなくても夕食は外食。へたをすれば親戚一同を含めて大勢で外食ということになるようです。

2-2.アマ(メイド)

香港には「アマ」と呼ばれるフィリピン人メイドがたくさんいます。
アマは住み込みの場合、HK$4,000-6,000/月(x14=円)です。パートタイムの場合は、HK$40-50/時間くらいです。住み込みの場合のメイドの労働時間は、8:00〜21:00で、日曜日は休日です。月収がHK$17,000の人でも週1日アマにきてもらい、HK$1,000/月くらい払っているケースも珍しくないようです。
香港人はほとんど家で食事を作らないので、アマの仕事は、掃除、洗濯、子守、買い物などです。アイロンかけはプロ並なので、Yシャツ等をクリーニングに出す必要がないし、住み込みの場合は食事(お弁当も含む)も作ってもらえます。
少し広いマンション(3DK以上)になると台所の奥に3畳くらいのメイド部屋とゲスト用のバスルームがついていることが多いです。しかし、アマは台所に簡易ベッドを広げられる大きさがあればそこで寝起きするので、低所得者用のマンションにもアマはいるようです。結局、東京以上に家賃も高いので、夫が一人で働くのよりアマを雇っても共稼ぎをしたほうが生活が楽になるというのがその理由です。
また、住み込みのアマを雇わないまでも、子育ては月曜日から金曜日まで親の家やアマ(乳母?)の家に預けっぱなしで、週末だけ子供と過ごす人も少なくないようです。もちろん平日に子供に会いたくなったら仕事が終わった後、2〜3時間子供に会いに行くこともできるそうです。
中国大陸の都市部でも、地方出身の子育て経験のある人を雇い仕事を続けるのは一般的のようで、そういう人が香港に移民していざ自分の孫の面倒をみるようになると、自分の子供でさえあまり抱いたことがないのでとまどうことも多いようです。フィリピン人が多いのははやりコストが安いからで、中国人のアマもいますが、平均HK$1,000くらい高いようです。また最近はインドネシア人のメイドも増えてます。
アマの中にはフィリピンの大学を卒業した人も少なくないのですが、フィリピン国内に就職口がなく、アメリカやカナダの大学に留学する学費を稼ぐために香港やシンガポールでアマをする人も多いようです。 top

3.香港の法制度

3-1.労働基準法

法律的にも、残業規制はおろか就業時間の規制さえない状態で、(一般的な就業時間は月曜から金曜は9:00-18:00、土曜日は9:00-13:00です。)社会保障もなきに等しいですから、稼げるときに稼げるだけ稼いでおこうという感じで、結構夜遅くまで働いています。
残業手当の規制もないので、残業手当をもらえない会社も多いのですが、業績が上がれば定期昇給時期以外でも昇給するので、結果的にサービス残業をしているようです。
詳しい法規等は下記のURLの中のConcise guide to Employment Ordinanceを参照して下さい。

3-2.産休

産休は、出産前後合わせて10週間。半年以上その職場で働いていれば、その給与の80%までが会社から支払われます。4週間以上半年未満の場合は、無給(ポジションはそのまま)で産休が取れます。
先頃、アマ(メイド)にもその法律が適用されるかどうかの議論がされ、アマにも適用されるようになりました。
基本的にアマの病気の時等の支払いはその雇い主が支払うことになっているので、経済的に苦しい家庭がアマを雇っている(お金持ちはアマを雇わないらしい)という背景からも、これ以上負担を増やすべきではないという議論もされたが、結局人道的見地からアマの産休も認められたようです。

3-3.退職金

基本的に、退職金制度というのはありませんが、給与の5%を本人と会社側が積み立て、退職時にその勤続年数に応じて、払い戻すという制度があります。
これは、一般の銀行等の取り扱いになり勤続2年未満は本人の積み立て分+利子、3年以上5年未満は本人分+会社の積み立て分の数十パーセントが本人に支払われる等の仕組みになっています。

3-4.違約金

面白いところでは、会社または従業員は理由を問わず1ヶ月の予告または1ヶ月分の給与の金額の他方への支払いをもって雇用契約を解除することが出来ます。つまり、会社は1ヶ月分の給与を従業員に支払えは、即刻解雇出来ます。また、従業員は1ヶ月分の給与を会社に支払えば即刻会社を辞めることが出来る、という法令もあります。
しかし、これらの法規もあまり拘束力が無く、その雇用者側とのローカルな契約が優先されるようです。
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作者プロフィール

島田文代さん。香港在住のWOMメンバー。日系証券リサーチ子会社の香港現地法人勤務。香港女性に負けないエネルギーで、第1子を出産直後にこのレポートをまとめてくれました。どうもありがとうございました。
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Last updated on 9/5/97