
世界のワーキングウーマン事情
〜オランダ編
1. 人々の働きぶりは、どんな感じか。
(就業時間、就業態度、職場環境)
一般的には朝9時から夕方5時までが通常の勤務時間。地方などでは 朝8時から夕方4時までというところもある。特に夏時間の季節になる と、会社を終わってから、日没まで数時間フルにオフタイムを楽しむ。
友達に手伝ってもらい、シーズン中に自分の家まで建ててしまうひとも 珍しくない。
就業態度は概して真面目。女性は特に勤勉。しかし、コーヒータイム はきっちりとる。ほとんどの企業は会社の費用でオフィスにコーヒーメ ーカーとコーヒー、砂糖、ミルクなどを用意していて、オランダ人は一
日に5,6杯のこーひー(しかも濃いの)を楽しんでいる。大企業にな ると、ワゴンにコーヒー、お茶、ソフトドリンクを積んだパートタイム のおばさんがオフィスを回って注文を一日中とって歩いている。
オフィスはゆったりしており、一人当たりの面積でいうと、20以 上は常識。役職者は個室を持っていて、一般のスタッフでも2,3人で 一室を与えられている。日本のような大部屋は珍しいし、いやがられる
(別の人の電話の声がうるさくて仕事に集中できない、などの理由)。
2. 女性のキャリア・パスについて。
(女性管理職・専門職の割合)
オランダの場合は、女性管理職・専門職の割合はまだ少ない。オランダ では、ほんの20年ほど前迄は「女性が家庭を守る」のが常識だったよ
うで、オフィスでも補助的な役割をこなしているのが一般的。オランダ の男性はオフィスでも、家庭でも意外に「亭主関白」的にふるまってい るようだ。しかし、最近になって、大学卒の女性が専門職に進出して、
管理職の割合も増加しているようだ。
ここでいう「女性が家庭を守る」とうのは、結婚したら家庭に入るという意 味です。かつてはパートなどの仕事もなく、家で住環境を守るというの が主婦のパターンだったようです。
最近では、環境は大きく変って、パートでも様々な職場が見つけられる ようになりました。
3. 結婚、出産後も働きやすい環境か。
(産休、育児休暇等の制度)
完璧である。産休、育児休暇制度は極めて充実。育児期間の数年間は、 勤務日数、勤務時間も優遇される場合もある。私の知人の女性は裁判所
の女性書記官であったが、出産後、産休明けになって、子供が3歳にな って幼稚園に入園するまでは、週3日、一日5時間程度の勤務条件が認 められていた。
産休明けの復職は完全に保証されているし、産休を理由に職場の地位を 不利にしたりすることは、労働協約で禁止されている。労働協約は、業 界ごとに決定され遵守される。
給与は休職中も100パーセント支給されたはずです。産休のあと、勤 務時間を変更するときは、時間数に応じた給与の変更を行います。
4. 保育施設、保育制度について。
(保育の時間、方法、値段)
産休明けから保育を請け負う施設があり、朝から夕方までリーズナブル な値段で、子供を預かる制度が確立している。(具体的な値段などにつ
いては、聞いたことがない。)
5. 男性の家事、育児への貢献度。
(家事、育児を分担する時間、方法)
昔はともかく、最近の共稼ぎのケースでは男性も家事、育児を分担する ようになってきた。子供がいる場合、奥さんが風邪を引いて寝込んでい
ることを理由に、旦那が休暇を取ることは一般的になっている。
6. 就労するのに必要な条件等。
(就労ビザ等の取得方法、取得条件)
<この質問は外国人の場合を想定したものと理解して回答します。>
就労ビザは必須。オランダ国籍の相手と結婚した場合は、まったく問題 なく就労ビザの取得が可能。それ以外の場合、特にEC以外の国(たと えば日本)からオランダに入国して就労許可を得るためには、その外国
人でしか出来ない特別な職能があることを証明できないといけない。 従来、オランダの日系企業が日本人のエグゼクティブのために秘書を雇 うときなど、日本人の女性の就労許可が比較的認められていたが、最近
、条件がかなり厳しくなってきたようだ。たとえば、就職先の企業は、 日本の企業を取引先として多く抱えていて、取引先との交渉を日本語で 有利にすすめるためには、日本語を流暢に話して、かつ業務に詳しい人
材が必須である、と説明するなど。
7. その他
(ユニークな習慣、制度、等)
有給休暇は年間20日から、公務員の場合など最大60日あるケースも ある。 夏休みなど年一回以上、連続して3週間以上の長期休暇を取得する権利
が認められている。 病気欠勤は有給休暇とは別に認められる。3日以上連続して病欠する場 合は、医者の診断書が必要。
休暇の最中、たとえばスキーに行って、骨を折った場合は、怪我をした その日から有給休暇が病気休暇に切り替えられる。したがって、3週間 休暇の初日に全治3週間の怪我をした場合は、3週間自宅で静養したう
えで、別の機会に改めて3週間休暇を取ることが出来る。
クリスマスには会社からのプレゼントが。12月6日はシント・ニコラ スの日でプレゼントをもらう。(クリスマスイブではない。)ほとんど の会社は、従業員にワインや、クリスマス用の食品などの詰まったクリ
スマスバスケットをプレゼントする。予算は一人当たり5千円前後が標 準的。従業員は会社からもらったクリスマスバスケットを家に持って帰 って、その内容がいかに豪華であるかを、近所同士で自慢し合う。会社
の経営者の太っ腹が期待される。
オランダ人の所得(物価に比べた実質所得ですが)高いと思います。家 賃などは日本に比べるとはるかに安いし、また、住宅を取得するのも容 易です。
首都アムステルダムでも日本円にして、2千万円で150の建坪 の住宅が入手できます。住宅ローンの金利は全額所得税の控除対象とな ります。ですから20台の若い内からローンで家を買っても負担が少
ないのです。また、ローンも住宅購入額の100%近くまで借りること が出来るのです。
オランダ人は一般的に住環境を大切にします。食事は粗末でも、立派な 家具を購入して、家の中を飾り立てます。観葉植物などがあふれかえっ て、温室の中にいるような家が沢山あります。住宅の窓は広く大きくて
、コーディネイトに金と時間をたっぷり費やしたすばらしい居間の風景 を、外から通りすがりの人にも良く見てもらいたいために素通しです。 したがって、窓のカーテンは装飾であり、開きっぱなしです。
作者プロフィール
WOMメンバーの友人。日本の都市銀行の社員として ドイツ、オランダに住んでいた経験のある40代後半の男性で、 数年前に日本に戻ってきています。
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Last updated on 2/4/98 by Shimada