世界のワーキングウーマン事情
〜在宅勤務編(シリコンバレー)


はじめに

最近、日本では、子育て中の女性の在宅勤務がブームになっています。 そこで、シリコンバレーのO社でテクニカル・ライターをしている友人に アメリカでの在宅勤務の状況について聞きました。

1. Telecommutingとは?

Telecommutingは、在宅勤務というか、コンピュータ、電話、ファックスで職場と連 絡を取り、自宅で働くことを言います。TeleはTelephoneなどの通信、commutingは commute通勤を合わせた造語です。 top

2. フレキシブルな労働形態

同社もヒューレット・パッカード社同様、 フレキシブルな労働形態を当然のように認めています。 基本的に、労働時間はフレックスで、在宅勤務もOKです。

同社は、人には、夜型朝型など、その人にとって一番労働効率のいい時間帯がある。 労働者が、各自もっとも生産性のいい時に働いた方が、全体としての生産性も高くなる。 という、経営思想に基づいて、フレキシブルな労働形態を採用しているそうです。 この「生産性を高めるためにフレキシブルな労働形態を導入するのが正しい」という 考えが、アメリカ産業界では流行り始めており、特にハイテク産業では主流になりつ つあります。 フレキシブルな労働形態は、労働者にとっても魅力であり、優秀な人材を集めるには 、もう必要な条件になりつつあるのです。

私が驚いたのは、労働者の家庭生活を配慮した結果ではなく、生産性を追及した結果 、フレキシブルな労働形態に行き当たったという点です。 もっとも、フレキシブルな労働形態の結果、労働と家庭の両立が楽になっているのだ から、鶏と卵の関係ですね。

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3. ポイントは年棒制

では、実際に、どうやってフレキシブルな労働形態を可能にしているのか。 それは、ほとんどの労働者が月給とりではなく、年棒とりだから、というのがキーポ イント。

ホワイトカラーや技術職は、採用時に仕事の内容と年棒を契約し、定められた量・質 の仕事が期間内に終わるかどうかが、評価の対象となる。 例えば、1カ月に1冊のマニュアルを作成する場合、1週間の内3日出社して打ち合 わせなどに参加し、2日は自宅で原稿書きに集中する、というスケジュールを組んで も全く構わないわけだ。

もちろん、スケジュールや進捗状況は、定期的に上司と確認し調整し、個人が勝手に 働く訳ではない。全体のミーティングは皆がそろう日に設定するなど、部の仕事を円 滑に進めるためには、管理職の手腕が問われる。 (ここに、フレキシブルな労働形態導入に伴う管理職研修の重要性があるわけだ。)

在宅勤務者と話す必要が起これば、メールや電話、ファックスを使う。 労働時間は、大体1週間に40時間の労働が目安となっているが、仕事が忙しいから と40時間以上働いても、残業手当や超過勤務手当は出ない。 だから、長時間働くと、それだけ自分の時給が下がることになるので、必然的に、皆 効率良い働き方を模索する。 労働時間数に係わらず、仕事が終わらなかったり質が悪ければ、評価は下がる(来年 の年棒が減る)し、首になる可能性もある。

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4. 日本での導入は難しい???

日本では、仕事が溜まって、残業や休日出勤をすると、その分が給与に反映される。 つまり給与は「労働の量と質」ではなく「労働時間数」(ひどいときには会社に滞在 した時間数)を元に算出されている。だから、「給料泥棒」や「サービス残業」が起 こりうる。しかし、効率が悪くても首になったりはしない。 日本では「労働の量と質」への評価は、賞与や昇進などで与えられるようだ。

この評価基準の違う土壌に、フレキシブルな労働形態を導入するのは、かなり難しい と思いました。

また、デパートの店員など小売業の一般労働者は年棒制ではなく、時給なので労働形 態もそれほどフレキシブルではありません。 (一般に、時給制のサービス産業労働者の方が年収が少ないです。)

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作者プロフィール

本多ゆか。WOMメンバー。米国カリフォルニア州在住7年目。
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Last updated on 2/23/98 by Shimada